特徴・ポイント
エナーテ(Enate)はスペイン北東部のアラゴン州ソモンターノで活動するワイナリー。歴史は浅いが、革新的なワインをつくるモダンなワイナリーとして人気が高い。
ミシュランの星を獲得したスペインのトップレストランの多くが、エナーテのワインを採用。特に、「世界で最も予約が取りにくいレストラン」と言われたエル・ブリのワインリストに載ったことから、大きく知名度を上げた。また、ワイン専門誌でしばしば最高評価を獲得し、日本でも『ワイン王国』が「超特選ベストバイワイン」として星5つという最高評価をエナーテのワインに与えている。
ワインづくりのこだわり
ぶどう本来の良さを生かすワインづくりを心掛けている。そのため、ぶどうも土着品種にこだわらず、土地に適した外来品種を積極的に取り入れることもあるなど、ぶどうの特徴を生かす努力を怠らない。
代表的なワイン
エナーテ・シャルドネ
サラス・バハスやサラス・アトラスにある標高600m付近の畑で収穫した高品質なぶどうを使用。
緑を帯びた淡い黄色で、青りんごや熟した桃、グアバ、パッション・フルーツなどの複雑な香りを持つ。ミネラル感とともに新鮮な酸味を感じられる。
エナーテ・クリアンサ
スペインの代表的なぶどう品種であるテンプラニーリョ70%と カベルネ・ソーヴィニヨン30%を使用してつくられた赤ワイン。サクラアワード2015にてダブルゴールドを受賞した。
深く濃い色で、赤い果実やスパイスの香りを持つ。濃厚な果実味と滑らかなタンニンを感じられる。
タパス・テンプラニーリョ
エナーテの定番テーブルワイン。スペインの代表品種であるテンプラニーリョに、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを少量ブレンドしてつくる。
ブルーベリーやチェリーの香りを持つ。豊かな果実味と滑らかなタンニンの余韻を楽しめる。
ワイナリーの歴史
エナーテは、1991年にスペイン北東部のアラゴン州ソモンターノに設立された。ピレネー山脈のふもとに広がるDOソモンターノでワインをつくる家族経営のワイナリーだ。
ソモンターノは、1984年に認定された歴史の浅いDO 。しかし、DO としては珍しく、多くの外来ぶどう品種を使用してワインをつくることが認められているので、エナーテは外来種を積極的に導入して土地に適した品種を使ってワインをつくっている。
土着品種に固執するワインづくりとは一線を画すエナーテのワインは、現在、ソモンターノ地方のワインをリードするようになった。
高品質なぶどうを栽培するために、畑仕事はすべて手作業だ。その一方で、醸造には最新の醸造設備を使用している。
最高のワインをつくるために、エナーテは既成概念に囚われることなく、自由な発想でできることを何でも試している。モダンなワイナリーらしく、どのシリーズのラベルにもモダンアートが印刷されている。