特徴・ポイント
トロ・ボー(Tollot-Beaut)は、ブルゴーニュの村名AOCショレ=レ=ボーヌを中心とする家族経営のドメーヌだ。ワイン作りの歴史は古く、19世紀にさかのぼる。
畑面積は合計で約24ha弱。3つのグラン・クリュ(特級畑)を有し、面積は1.5ha程度。同じくプルミエ・クリュ(1級畑)として、約7ha程度を有する。
ワインづくりのこだわり
つくられるワインのほとんどが赤ワイン。赤はピノ・ノワール、白がシャルドネによってつくられる。
斜面ではなく、平地にぶどう畑が作られているのが特徴だ。近年では、天候に恵まれた2013年のヴィンテージがパーカーポイント高得点を獲得している。
代表的なワイン
トロ・ボー コルトン・シャルルマーニュ
樹齢50年近くのシャルドネで作られる白ワイン。かつてこのワインを愛飲したというカール大帝に因んで名付けられた。
リンゴや洋梨を思わせるさわやかなアロマに、ミネラルと清涼感のあるエレガンスな味わいが特徴だ。
トロ・ボー ブルゴーニュ・ルージュ
輝きのあるガーネット色。イチゴ、チェリー、クランベリーを思わせる明るく瑞々しいアロマと、滑らかな質感・豊かな果実味をたたえた味わいだ。ビーフシチューなどとよくマッチする。
トロ・ボー アロース・コルトン
トロ・ボーのワインの中でも力強いタイプとなる。
カシスやダークチェリーを思わせるアロマに、しっかりとしたボディとタンニン、果実味が味わえる。
ワイナリーの歴史
設立は1880年。ドメーヌ名は当時の村長で、畑を購入しドメーヌを拓いたアレクサンドル・トロ氏と、その妻の名字(ボー)に因む。現在はトロ家5代目のナタリー女史がワイン生産を受け継いでいる。
1965年にシャルドネを植樹したコルトン・シャルルマーニュと、1953年と55年にピノ・ノワールを植樹したコルトン・ブレッサンド、それにコルトンという3つのグラン・クリュを有する。
マルキ・ダンジェルヴィーユ、アンリ・グージュらとともに、ドメーヌ元詰めワインにも着手していた。産地偽造ワインや混醸が多く品質にバラつきがあった時代に、ドメーヌワインの品質を確保するべく、1921年より元詰めワインの製造をスタートしている。
品質保持のため、トロ・ボーでは「ヴァンダンジュ・ヴェールト」と呼ばれる手法を導入している。これは成熟前のぶどうを切り落とす間引きに似た手法で、ぶどうの収量を抑えることで品質を保っている。また、ぶどうの収穫は全て手摘みで行われる。
毎年冬になると根の上に土をかぶせ、春先にかぶせた土を除去する作業を行う。こうすることで、冬の冷たい空気からぶどうの根を守っている。