特徴・ポイント
シャトー・ド・サン・コム(CHATEAU DE SAINT COSME)は、『ワインスペクテイター』誌で「ジゴンダスの天才」と称賛されたルイ・パリュオール氏が当主を務める。
同社のワインはワインスペクテイターのランキングで2位に輝き、さらに『ワイン・アドヴォケイト』誌でパーカーポイント100点を獲得するという偉業を成し遂げた。
ワインづくりのこだわり
ジゴンダスの山の麓にあるシャトー・ド・サン・コムの畑は、周囲にある山の影に入ってしまうため、午前中に2時間くらい日光が当たらない時間がある。そんな同地のテロワールを生かし、適度にぶどうを熟成することで、程よい酸味を持った上質なワインを生み出している。
代表的なワイン
ジゴンダス
シャトー・ド・サン・コムのフラッグシップワイン。2010年にワインスペクテイターのランキングで2位の栄冠を得た。
グルナッシュを中心に、ムールヴェードル、シラー、サンソーをブレンドし、香ばしさと甘さが混じった複雑な香りを演出している。
ジゴンダス・オミニス・フィデス
ワイン・アドヴォケイトで評論家のロバート・パーカー氏が100点満点を与え、瞬く間に入手困難になった幻のワイン。
希少価値が高く、年々価格が高騰しているようだ。今では現地フランスのワインリストでもなかなかお目にかかれない。
ジゴンダス ヴァルべル
樹齢80年の樹が植えられた畑のぶどうをブレンドしたミディアムボディの赤ワイン。
グルナッシュが90%で、シラーが10%。果実の甘みと酸味のバランスが程よく、舌触りに丸みがある。
ワイナリーの歴史
フランス・ローヌ地方南部にあるジゴンダスを本拠に、1490年からワインの醸造を続けているシャトー・ド・サン・コム。14代目当主のルイ・バリュオール氏の活躍によって、1990年代には世界中にその名が知られるようになった。
ルイ氏はぶどう畑の区画や収量を厳密にコントロール。全房発酵やピジャージュ(タンクや大樽での発酵中に人力で撹拌する作業)の多用といった手法を新たに採用し、他のジゴンダス以上に芳醇な香りと深い味わいを持つワインを次々につくり上げた。
その結果、ルイ氏がリリースしたワインは各ワイン専門誌で高得点を連発。ジゴンダス・オミニス・フィデスに至っては、最高点の100点を叩き出した。
ワイン史上類を見ない業績を残したルイ氏は「ジゴンダスの天才」と評される。このように高い評価を得たシャトー・ド・サン・コムは、今では5ツ星の生産者の地位にまで登り詰めている。