特徴・ポイント
1972年創業で、イタリア・トスカーナ地方にあるキャンティ・クラシコの名門として知られるワイナリー。約80haの畑は海抜450~550mにあり、キャンティ・クラシコの中では高いところに位置している。
2005年のイタリアのワイン誌『ガンベロ・ロッソ』で、年間ベストワイナリーに選ばれた。
ワインづくりのこだわり
かつては収量を50%に制限し、ブルゴーニュにおける「クリュ」のように単一畑ごとに収穫・醸造していた。現在は畑全体からぶどうを厳選の上、ブレンドすることによってより良いワインをつくっている。
今でも4つの畑のうち「ベッラヴィスタ」「ラ・カズッチャ」では、良いぶどうができた年は単一畑のキュヴェもつくっている。
代表的なワイン
サン・ロレンツォ キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ
4つの畑の一つ「サン・ロレンツォ」のぶどうと、樹齢約25年の厳選したぶどうからつくられている。チェリーやイチゴなど熟した赤い果実系の香りに澄んだミネラルが溶け合っている。上質なタンニンが味わい深い酸と相まって、力強さの中にも気品を併せ持つ。
2010年ヴィンテージは『ワインスペクテーター』誌の2014年トップ100ワインの中で6位に輝いた。
キャンティ・クラシコ・ヴィニェート・ラ・カズッチャ
単一畑「ラ・カズッチャ」のぶどうからつくられる。サンジョヴェーゼに加え20%ほどメルローをブレンド。メルローの混醸により、酸味の中にもいくぶん柔らかさを備えたワインだ。
各ヴィンテージ5000~7000本しかつくられない希少なシリーズ。
ハイク
日本語の「俳句」にちなみ名付けられた。サンジョヴェーゼ50%にメルローとカベルネ・フランを25%ずつブレンドしている。混醸割合からIGT(スーパータスカン)扱いだが、初出荷となる2009年から高い評価を獲得。
その飲みやすさから、2010年ヴィンテージは「サクラアワード2015」でゴールドを受賞した。
ワイナリーの歴史
アマの村では、5世紀より伝統的にワインつくりが行われていた。
18世紀には、時のトスカーナ大公レオポルド2世が「全ての財をワインづくりに投資し、品質保持に細心の注意を払っている」と評し、そのプレートが現在ワイナリーの所有する建物に残っている。
カステッロ・ディ・アマ(CASTELLO DI AMA)は1960年代に4人の共同経営者により始まった。
現在のワイナリーの創業は1972年。醸造責任者のマルコ・パランティ氏と、初期の共同経営者の2代目であり妻のロレンツァ・セバスティ女史がワインづくりに従事している。
「キャンティ・クラシコのワインをつくるのではなく、カステッロ・ディ・アマのワインをつくること」を目指し、高品質のワインをつくっている。
パランティ氏は『ガンベロ・ロッソ』の2003年版でワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。また、2006年から2012年の2期にわたり、キャンティ・クラシコ協会の会長を務めた人物だ。