特徴・ポイント
ベルサーノ(BERSANO)は、イタリア・ピエモンテ州の広大な畑を所有する名門ワイナリーである。家族経営のワイナリーとしては、ピエモンテ州最大規模とも言われる。デキャンター・ワールドワイン・アワードなど、数多くの国際ワインコンクールでの受賞歴がある。
ワインづくりのこだわり
「良いワインは畑から」の信念の元、ピエモンテの気候や土壌を生かした良質な畑で栽培したぶどうを使い、伝統的な製法にこだわったワインづくりを行っている。
代表的なワイン
ベルサーノ バルベーラ・ダスティ・コスタルンガ
ラズベリーやクランベリーなどの赤い果実とスパイスやタバコ、ユーカリのような香りが印象的である。酸味は爽やかでフルーツの風味とのバランスが良く、長くなめらかな余韻が残る。
ベルサーノ バローロ・ニルヴァスコ
伝統的なスラヴォニア・オーク樽を用いて製造されたエレガントな赤ワイン。スパイスや熟したフルーツとリコリスやペッパー、なめし革のニュアンスが調和した香りと繊細なタンニンの余韻が心地良い。
ベルサーノ バローロ・リゼルヴァ
カカオやミント、ブラックチェリーを思わせる複雑な香り、チェリーやドライフルーツのしっかりとしたふくよかな果実味となめらかさが特徴のフルボディ赤ワイン。イギリスのワイン雑誌『デキャンタ』による国際ワインコンクールで銀賞に輝くなど、国内外で高い評価を受けている。
ワイナリーの歴史
ベルサーノは1907年、ワイン生産で知られるピエモンテ州アスティ地区の中心であるニッツァ・モンフェラートで創設された。
1935年、アルトゥロ・ベルサーノが家族経営のワイナリーとしてワイナリー経営に乗り出し、ベルサーノはぶどう畑を買い足すなどして拡大した。しかし1970年代から1980年代にかけて、品質が低下すると同時にワイナリーの評判も落ちてしまう。
1985年、ベルサーノはマッシメッリ家とソアーヴェ家の共同所有となり、同時にワイナリーの再生が始まった。ベルサーノの歴史と伝統を守りながらぶどう畑の管理を進め、1990年代には新たなぶどう畑を次々に取得した。こうしてベルサーノのぶどう畑は計230haにまで拡がり、ピエモンテ州でも家族経営のワイナリーとしては最大規模級の畑を所有するまでになった。
2000年に入り、ロベルト・モロシノット氏が醸造責任者として、フィリッポ・モブリチ氏が栽培責任者としてベルサーノに参加し、大規模なワイナリーの管理を務めている。また、敷地内には1500年代からのワインラベルをコレクションしたワイン博物館を設置。ベルサーノは伝統的なワイン製法にとどまらず、より良いワインを目指して新たなワインづくりにも尽力している。