特徴・ポイント
JMカーズ(J.M. Cazes)は、ボルドーのメドック地方に拠点を置くシャトー・ランシュ・バージュを所有してることで有名なワイナリーだ。シャトー・ランシュ・バージュは、メドックの格付けで5級シャトーだが長年に渡り2級シャトーよりも高い評価を受けるほどの品質で別名「5級のラトゥール」と称されているフラッグシップワインだ。
ワインづくりのこだわり
JMカーズは、ボルドーのテロワールとぶどう品種の特徴を生かしながら、さまざまな個性を持った高品質なワインを造り上げている。ステンレスタンクで温度管理をしっかりと行い発酵させる。その間デレスタージュを何度も行うことで深みのある色調で、力強く、タンニンが豊富、凝縮感のある味わいのワインを造り出している。熟成発酵はオーク樽での伝統的な方法で12~15ヶ月行われる。
代表的なワイン
シャトー・ランシュ・バージュ
北側、南側とも1級畑のムートンとラフィットそしてラトゥールが隣接する通称”バージュの丘”と呼ばれる畑で穫れる良質のカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に造られるポイヤックのスーパーセカンド。タンニンの豊富さやまろやかさ、芳醇で力強い味わいは、メドック格付け5級ながら格付けを超えた高評価を得ている。
ミッシェル・リンチ
シャトー・ランシュ・バージュのチーフワインメーカーであるダニエル・リョーズが醸造を手がけ、ボルドーのテロワールや伝統的なスタイルを受け継ぎつつ最新鋭の設備を駆使し、親しみやすいワインに仕上げている。メルロー種を主体としたフレッシュでピュアな味わいの赤ワインだ。酸味のバランスもよく、JMカーズの主力ワインとなっている。
ワイナリーの歴史
JMカーズの前身は、アイルランドから移住してきたリンチ家が所有していたドメーヌ・ド・バージュと呼ばれていたシャトーで、後にシャトー・ランシュ・バージュと呼ばれるようになった。
1934年からはカーズ家が受け継ぎ、現在はジャン・ミッシェル・カーズがオーナーとなっている。
ポイヤック村のジロンド川に沿って広がる90haの畑は、その砂利質の土壌がワインに複雑味を与えている。また、ジロンド川のそばに位置する恵まれた立地条件がワインの品質を安定させている。
シャトー・ランシュ・バージュはその品質の高さから、1級シャトーにも匹敵するとの評価を得ており、1978年以降にセカンドワインのオー・バージュ・アヴルーが、1990年からはクオリティの高さを誇る白ワイン、ブラン・ド・ランシュ・バージュが生産されるようになった。
1985年に初めてリリースされた「ミッシェル・リンチ」は、シャトー・ランシュ・バージュのチーフワインメーカーであるダニエル・リョーズ氏が監修し、世界68カ国で発売されている。