ブドウ畑と芝生の奥に立つシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
ワイナリー

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande)は、フランス・ボルドー地方ポイヤックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

ブドウ畑と芝生の奥に立つシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
ポイヤック南部の畑に立つ、淡い石造りのシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(画像: BillBl / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドとは

産地とスタイル

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドは、フランス・ボルドー地方ポイヤックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

ポイヤックの広いブドウ畑と左右に見えるピション・コンテス、ピション・バロンの建物
砂利の丘にブドウ樹が連なるポイヤックの景観。左にピション・コンテス、右にピション・バロンを望みます(画像: Anthony Baratier / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

評価される理由

メドックのポイヤック南端、ジロンド河口に近い砂利の丘に広がる1855年格付第二級シャトーです。公式サイトによると畑は102ヘクタール、100を超える区画からなり、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを栽培します。第四紀に形成された砂利質の丘と粘土質の下層土は水はけと保水の均衡を生み、河口の微気候が極端な寒暖を和らげます。ポイヤックらしい深さと骨格を持ちながら、花や果実の香り、絹のようなタンニン、しなやかさを重ねることから『ポイヤックの貴婦人』とも親しまれます。

ワインづくりのこだわり

区画ごとに栽培管理と収穫時期を調整し、2012年完成の新しい醸造所では小区画の個性を別々のタンクで発酵させます。ブドウの受け入れから樽入れまで重力を利用し、果汁の酸化と物理的な負担を抑えて鮮度を守るのが特徴です。1月には70以上のロットをブラインドで試飲し、ヴィンテージの輪郭を読みながらグラン・ヴァンとセカンドワインを組み立てます。樽熟成中は、ろうそくの光で濁りを見極める伝統的な澱引きも継承し、澱を丁寧に分けながら精密に熟成を進めます。

オーク樽が並ぶ石造りの熟成庫で採取器具、ホース、メドックの丸い砂利を置いた作業風景
シャトー公式の醸造・熟成資料を参照し、別構図のポイヤック熟成庫として制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande

シャトーの最良区画を選び抜くグラン・ヴァン。カベルネ・ソーヴィニヨンの深い色調と骨格に、メルローの肉付き、カベルネ・フランの芳香、プティ・ヴェルドのスパイス感を重ねます。花、黒系果実、香辛料を思わせる香り、精密さと力強さ、絹のようなタンニンを備える長期熟成型です。今回のAmazon掲載商品は2022年の750mlボトルです。

Pichon Comtesse Réserve

かつて『Réserve de la Comtesse』として知られたセカンドワイン。グラン・ヴァンと同じ区画別醸造と選別の考え方から生まれ、花と果実、ほのかなスパイス、しなやかで絹のような口当たりを、より早く親しみやすい形で楽しめます。

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド1998年のワインボトル
シャトーの外観を描くラベルが印象的なピション・コンテス1998年ヴィンテージ(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ワイナリーの歴史

起源は1689年にピエール・ド・ローザンが築いた畑にさかのぼり、1694年からピション・ロングヴィル家が所有しました。1850年、ジョゼフ・ド・ピション・ロングヴィル男爵の五人の子どもへの相続で領地が分かれ、ヴィルジニー・ド・ピション・ロングヴィル(ラランド伯爵夫人)と姉妹が約30ヘクタールを継承。ヴィルジニーが現在の名を持つシャトーを建て、1855年には第二級に格付けされました。1925年からミアイユ家、1978年からはメイ=エリアーヌ・ド・ランクザン夫人が名声を高め、2007年に家族経営のシャンパーニュ・ルイ・ロデレールが取得。三つの家族が三世紀をつなぐ歩みを続けています。

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドを写真で見る

19世紀のシャトー・ピション・コンテスとブドウ畑を描いたカラー図版
1868年刊の資料に描かれた、完成から間もないピション・コンテスのシャトーとブドウ畑(画像: Charles Lallemand / CC0) Wikimedia Commons / CC0
20世紀中頃のシャトー・ピション・コンテスと畑を描いたモノクロ図版
1949年版『Bordeaux et ses vins』に収録されたピション・コンテスの歴史的図版(画像: Eugène Vergez / CC0) Wikimedia Commons / CC0
ジョゼフ・ピション・ド・ロングヴィル男爵の歴史的な肖像画
約70年にわたりピション・ロングヴィルの畑を築き、五人の子どもへ継いだジョゼフ男爵(画像: Unknown author / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
経年したラベルが残るシャトー・ピション・コンテス1933年のワインボトル
長い熟成の歩みを伝えるピション・コンテス1933年ヴィンテージのボトル(画像: BerndB / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
シャトー・ピション・コンテス1982年ヴィンテージの熟成したワインボトル
メイ=エリアーヌ・ド・ランクザン時代を象徴する名高い1982年ヴィンテージの旧ボトル(画像: BerndB / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
シャトー外観が描かれたピション・コンテス1989年のワインラベル
ネオクラシック様式のシャトーを描くピション・コンテス1989年ヴィンテージのラベル(画像: Jamain / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2022 750ml

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2022 750mlをAmazonで見る

まとめ

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

参考情報








編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

運営会社 / お問い合わせ・広告掲載

ワインニュース・コラムを見る

About the author / 

WINE BAZAAR編集部

Wine Bazaar編集部は、ワインの新商品、イベント、業界動向、産地・品種に関する情報を確認し、読者がワインを選びやすくなる記事を制作しています。

カテゴリー