アルザスの木組みの建物に入るファミーユ・ヒューゲルのショップとテイスティングルーム
ワイナリー

ファミーユ・ヒューゲル

ファミーユ・ヒューゲル(Famille Hugel)は、フランス・アルザス地方リクヴィールを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、ファミーユ・ヒューゲルの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

アルザスの木組みの建物に入るファミーユ・ヒューゲルのショップとテイスティングルーム
リクヴィール旧市街の角に立つ、ファミーユ・ヒューゲルのショップ兼テイスティングルーム(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ファミーユ・ヒューゲルとは

産地とスタイル

ファミーユ・ヒューゲルは、フランス・アルザス地方リクヴィールの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

夏のリクヴィールで斜面に列を描くファミーユ・ヒューゲルのシェネンブール畑
リクヴィールの斜面に広がるグラン・クリュ・シェネンブールのヒューゲル家のブドウ畑(画像: Claude Truong-Ngoc / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

評価される理由

アルザスの城壁都市リクヴィールで1639年から続く、家族経営の歴史ある生産者です。自社畑は約30ヘクタールで、その多くがグラン・クリュに位置し、長期契約農家が育てる約110ヘクタール分のブドウも選別して使用します。リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリなどアルザスの高貴品種を軸に、品種の輪郭を曇らせない辛口で香り高いスタイルを世界100か国以上へ届けてきました。黄色いラベルはヒューゲルの象徴で、アルザスの多彩な白ワインを知る入口として親しまれています。

ワインづくりのこだわり

ブドウは小型の容器で圧搾所へ運び、ポンプを使わず重力でプレスへ投入します。圧搾した果汁は数時間静置して澄ませ、温度管理したタンクまたは大樽で発酵。冬の間に自然に清澄させ、澱引きは原則一度にとどめ、翌春に軽くろ過して瓶詰めし、出荷まで自社セラーで落ち着かせます。新樽の香りで覆うより、リクヴィール周辺の粘土石灰質土壌と各品種の果実、酸、香りを素直に見せるのが基本です。収穫は手摘みを重視し、畑とヴィンテージに応じた熟度を見極めます。

アルザスのリクヴィールで作業者がブドウ樹から房を手摘みする秋の収穫風景
リクヴィールでブドウを手摘みする収穫風景の一例(ヒューゲル家の作業風景ではありません)(画像: JopkeB / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

代表的なワイン

Gentil Hugel

アルザスで高貴品種のブレンドを『ジョンティ』と呼んだ伝統を現代に復活させた、ヒューゲル入門の白ワインです。2024年公式仕様ではリースリング30%、ゲヴュルツトラミネール20%、ピノ・グリ15%、シルヴァーナー15%、ピノ・ブラン15%、ミュスカ5%。黄スモモ、バラ、マルメロ、柑橘の皮を思わせる香りと、しなやかな口当たり、爽やかな余韻を備えます。今回のAmazon掲載商品は2023年の750mlです。

Riesling Classic

ヒューゲルを代表する辛口リースリング。急斜面でゆっくり熟すブドウから、柑橘や白い果実、張りのある酸、まっすぐなミネラル感を表します。魚介、甲殻類、白身魚と合わせやすく、若いうちは清涼感を、数年の熟成後はより奥行きのある香味を楽しめます。

Gewurztraminer Classic

アルザスを象徴する芳香品種を100%使用。バラやジャスミン、桃、ミラベル、ライチ、マンゴー、ショウガやスパイスを思わせる香りを、重くしすぎず精緻にまとめます。香辛料を使うアジア料理、スモークサーモン、ウォッシュタイプなど風味の強いチーズに好相性です。

Schoelhammer

グラン・クリュ・シェネンブールの中心にある、家族が150年以上守る約63アールの区画から造る希少なリースリングです。区画の個性を長い熟成で引き出し、緻密な酸、深いミネラル感、熟成による複雑さを示すヒューゲルの頂点の一つです。

黄色いラベルが付いた2010年ジョンティ・ヒューゲルの白ワインボトル
複数のアルザス品種を調和させるジョンティ・ヒューゲルのボトル。写真は2010年ヴィンテージ(画像: Michal Osmenda / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

ワイナリーの歴史

三十年戦争期の1639年、ハンス・ウルリッヒ・ヒューゲルがリクヴィールで家業を始めました。現在も一族が所有・運営し、歴史的建物の地下セラーでは1世紀以上使われてきた大樽を守ります。なかでも1715年製の『サント・カトリーヌ』は現役の木樽として知られます。20世紀にはジャン・ヒューゲルが遅摘みのヴァンダンジュ・タルディヴと貴腐ブドウによるセレクシオン・ド・グラン・ノーブルの品質基準づくりを主導し、1984年に制度化された厳格な規定へつなげました。世代を重ねながら、家族の名前とアルザスの産地名を世界へ伝えています。

ファミーユ・ヒューゲルを写真で見る

リクヴィール旧市街の石畳沿いに立つメゾン・ヒューゲルの木組み建築
リクヴィールのメインストリートに面するメゾン・ヒューゲルの歴史的な建物(画像: René Boulay / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
古い木組み建築に囲まれたメゾン・エミール・ヒューゲルの中庭を写した歴史写真
リクヴィールのメゾン・エミール・ヒューゲルの中庭を写した歴史的な絵はがき(画像: Bibliothèque nationale et universitaire de Strasbourg / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
黄色を基調に意匠が異なるファミーユ・ヒューゲルの四種類のワインラベル
レンジごとの違いを見比べられる、ヒューゲルの四種類のボトルラベル(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
オマージュ・ア・ジャン・ヒューゲルの細長いアルザスボトル二本
ジャン・ヒューゲルの家業参加50ヴィンテージを記念して生まれたオマージュ・ア・ジャン・ヒューゲルのボトル(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
黄色いラベルが付いた2008年ヒューゲル・ピノ・ブラン・キュヴェ・レ・ザムールのボトル
アルザスらしい細身の瓶と黄色いラベルが印象的な、ヒューゲルのピノ・ブラン。写真は2008年(画像: Michal Osmenda / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
緑のブドウ畑と丘に囲まれたアルザスの城壁都市リクヴィールの全景
ヴォージュ山脈の麓でブドウ畑に囲まれる、ファミーユ・ヒューゲルの本拠地リクヴィール(画像: JopkeB / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ファミーユ・ヒューゲルのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

ファミーユ・ヒューゲルの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Famille Hugel Gentil 2023 dry white wine 750ml

ファミーユ・ヒューゲルらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

Famille Hugel Gentil 2023 dry white wine 750mlをAmazonで見る

まとめ

ファミーユ・ヒューゲルは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

参考情報








編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

運営会社 / お問い合わせ・広告掲載

ワインニュース・コラムを見る

About the author / 

WINE BAZAAR編集部

Wine Bazaar編集部は、ワインの新商品、イベント、業界動向、産地・品種に関する情報を確認し、読者がワインを選びやすくなる記事を制作しています。

カテゴリー