アンプカ・バレー(アムクワ・バレー)ワインの特徴とは
アンプカ・バレー(アムクワ・バレー)の気候・風土 アメリカにあるアンプカ・バレーは、北にウィラメット・バレー、南にローグ・バレー、東にカスケード山脈、西は海岸に囲まれ、アンプカ川の流域に広がるぶどう栽培地域だ。南北105…
アメリカは、その国土の広大さの割にワインの生産量があまり多くない印象があるが、ここ近年で国内外に知られるワイナリーの数は増えている。
プレミアムワインの宝庫として知られるカリフォルニア州以外にも、ワシントン州やオレゴン州、ニューヨーク州などで醸造されるワインも注目を集めている。
中でもオレゴン州は、世界の中でも優れたピノ・ノワールが収穫できる場所として知られるようになった。ワイン用ぶどうの産地は州の西側に多く、海岸山脈と他の山脈に囲まれた場所に畑が広がる。比較的冷涼な気候で、火山性の堆積土壌など水はけの良い土壌を持つ。
州内には、広域AVAであるウィラメット・バレーをはじめ、ダンディ・ヒルズ、リボン・リッジ、アムクワ・バレー、マクミンヴィル、エオラ・アミティ・ヒルズなど多くのAVAがある。
ウィラメット・バレー、その中でも特にダンディー・ヒルズ産およびリボン・リッジ産のピノ・ノワールを使ってつくられたワインは、アメリカ全体の中でも最も優れたワインランキングに食い込むほどの好評ぶりだ。
海風のもたらす冷たい空気と地形が作用し、色が美しく凝縮味のあるぶどうが収穫できる。その他、シャルドネやリースリング、ピノ・グリなどを使ったワインが多く生産されている。
【オレゴンの主な生産地】
<ウィラメット・バレー>
ウィラメット・バレーはウィラメット川に囲まれる地域で、ポートランドから南に色がる広大なAVAだ。年間の温度変化が少なく、全体として冷涼で高湿度な気候だ。
各地域によってワインの個性も異なり、ピノ・ノワールの名産地として有名。他に、ピノ・グリやシャルドネ、リースリングなども栽培される。
<ダンディー・ヒルズ>
ダンディー・ヒルズはオレゴン州ウィラメット・バレーAVAに属するサブリージョン。起伏の多い地形で、標高もさまざまだ。低地では霜や霧が発生するが、高地ではそういった影響を受けない。
冷涼で穏やかな気候により、良質のピノ・ノワールが収穫できる。ダンディー・ヒルのワインは時にフランス産ワインを凌ぐ高評価を得るほど、ワインの評判は良い。
<リボン・リッジ>
リボン・リッジはチュヘイラム・マウンテンズの北西端にあり、ニューバーグとガストンの間に広がっている。海洋堆積物が積もった丘の上にある。四方が山に囲まれているため、周囲より若干温暖で乾燥している。ぶどうは長期間をかけ熟成を重ねる。
ウィラメット・バレー地域の中で、最も高級なピノ・ノワールが生まれる場所と言われている。
<エオラ・アミティ・ヒルズ>
エオラ・アミティ・ヒルズはポートランド南に位置する。海岸山脈により海風は遮られているが、峡谷から冷風が入るため、夏もあまり気温が上がらず穏やかな気候だ。
この冷風の影響でぶどうはゆっくり熟し、凝縮感のある味わいとなる。この特性を生かし、ピノ・ノワールが多く栽培される。
<チャハレム・マウンテンズ>
チャハレム・マウンテンズはウィラメット・バレー内のAVA。フォレストグローヴからウィルソンビルまで続いており、なだらかな丘陵地に畑が広がる。
地中海性気候の影響を強く受け、ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングなどのぶどうが栽培される。土壌はさまざまで、土壌の質によりワインの個性も異なる。
<ヤムヒル・カールトン・ディストリクト>
ヤムヒル・カールトン・ディストリクトはポートランドの南西に位置する。まわりに山脈が多く、冷涼な気候だ。
その気候を生かし、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ、ガメイ・ノワール、リースリングなどが栽培されている。排水性の高い砂岩やシルトの土壌であり、酸味が優しくさまざまな風合いの感じられるワインが生産されている。
<マクミンヴィル>
マクミンヴィルは、ポートランド南西に位置する生産地。降雨量が少なく、また山脈によって冷風からも守られている。
個性のある地下水がワインに独特のフレーバーを与え、まだ水はけの良い土壌は高品質のぶどうを栽培することを可能にする。ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブランなどが栽培され、毎年7月にはピノ・ノワール祭が開催される。
<アンプカ・バレー>
アンプカ・バレーは東のカスケード山脈、西の海岸に挟まれ、アンプカ川のほとりに広がる栽培地。近隣のAVAより広めの地域が指定されている。
冷涼な北部ではピノ・ノワールやピノ・グリなど、温暖な南部ではテンプラニーリョ、シラーなどが栽培されている。中心部では、地域によって栽培される品種が異なる。
<ローグ・バレー>
オレゴン州南部に位置するローグ・バレーは、山間部の谷間にぶどう畑が広がる。カリフォルニア州との境界線に近く、温暖かつ乾燥している。
この地域ではメルロー、シラー、ピノ・グリ、シャルドネを使ったワインが多く醸造され、赤ワインが全体の7割、残り3割が白ワインだ。
<アップルゲート・バレー>
アップルゲート・バレーはスキュー山脈の山麓にあり、3つの河川が流れる場所だ。それぞれの川岸で土壌が大きく異なるが、全体的にはボルドーとよく似た気候を有している。
この地ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、ジンファンデルなどが栽培されている。日照量が多いため、全体的に果実味あふれるワインとなる。
<サザン・オレゴン>
サザン・オレゴンはその名のとおり、オレゴン州南部の産地。カスケード山脈などが連なる山間地に位置する。温暖な気候で日照量が多く、空気が乾燥している。
ピノ・ノワール、ピノ・グリ、リースリングなどが栽培され、濃厚なぶどうの風味が堪能できる赤ワインと、野性味が強い白ワインが特徴だ。
<レッド・ヒル・ダグラス・カウンティ>
レッド・ヒル・ダグラス・カウンティはオレゴン州南東に位置するダグラス郡のAVA。アンプカ・バレーのサブリージョンだ。火山性のジョリー土壌を持ち、水はけが良い。
標高300m前後の場所にぶどう畑が広がり、ピノ・ノワールやシャルドネ、リースリングなどが栽培される。ワイナリーは「シエナ・リッジ・エステート」1つのみだ。
<スネーク・リバー・バレー>
スネーク・リバー・バレーとは、オレゴン州東部とアイダホ州との間にまたがるAVAだ。ほぼすべてのワイン生産はアイダホ州側で行われており、オレゴン州ではAVA北部の一部のみ。
ぶどうは標高650m以上の高地で栽培され、リースリングやシャルドネから作られる白ワインがメインだ。
アンプカ・バレー(アムクワ・バレー)の気候・風土 アメリカにあるアンプカ・バレーは、北にウィラメット・バレー、南にローグ・バレー、東にカスケード山脈、西は海岸に囲まれ、アンプカ川の流域に広がるぶどう栽培地域だ。南北105…
サザン・オレゴンの気候・風土 サザン・オレゴンは、アメリカ・オレゴン地方南部のワイン生産地。AVAに認定されている。 カスケード山脈などが連なる山岳地帯に位置し、標高は平均450m。堆積岩を多く含む土壌。 もともとあった…
ヤムヒル・カールトン・ディストリクトの気候・風土 ヤムヒル・カールトン・ディストリクトは、ポートランドの南西約56km、太平洋の東約64km、ニューバーグの西に位置し、馬蹄状にヤムヒルとカールトンをまたぐワインの生産地だ…
リボン・リッジの気候・風土 リボン・リッジはチュヘイラム・マウンテンズの北西端に位置するワイン産地。ニューバーグとガストンの間に広がっており、海洋堆積物が積もった丘の上にある。 丘の幅は0.4km、長さは5.63km、総…
チャハレム・マウンテンズの気候・風土 チャハレム・マウンテンズは、アメリカ・オレゴン州にある。ウィラメット・バレーAVAに属し、フォレストグローヴからウィルソンビルまで全長32kmの範囲に広がっている。 チャハレム・マウ…
スネーク・リバー・バレーの気候・風土 スネーク・リバー・バレーは、オレゴン州東部と、アイダホ州南西との2州にまたがるAVAだ。コロンビア川の支流、スネーク川の流域に展開する。 現在、ほぼ全てのワイン生産はアイダホ州側で行…
エオラ・アミティ・ヒルズの気候・風土 エオラ・アミティ・ヒルズはポートランドから南へ車で35分の距離にあり、北はアミティから南はセイラムに至るまで、南北に24km、東西に10km広がっている。面積は3万7900ac。 コ…
レッド・ヒル・ダグラス・カウンティの気候・風土 レッド・ヒル・ダグラス・カウンティは、オレゴン州南東部、ダグラス郡のAVAだ。 周辺地域を取り囲むアンプカ・バレーの下位AVAにあたる。ヨンカラの町から南、州道5号線に沿っ…
アップルゲート・バレーの気候・風土 アメリカ・オレゴン地方のアップルゲート・バレー近くには、スキュー山脈、そしてイリノイ、ベア・クリーク、アップルゲートと3つの川が流れている。 川によって土壌環境が大きく異なり、東部は温…
ローグ・バレーの気候・風土 アメリカ・オレゴン南部に位置するローグ・バレーは、その名前の由来となったローグ川が近くに流れている。ローグ川から別れたイリノイ川などに添うようにして、100kmにわたりワイナリーが広く存在して…