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ライン川中流域にあるラインヘッセンは、ドイツワイン生産地の中でも、最大の面積を誇るぶどう栽培地域だ。ライン川を境として北のラインガウと接しており、川沿いにはラインラント=プファルツの州都マインツや、ビンゲン、ヴォルムスといった都市がある。

主なベライヒ(生産地区分)は、北東部のニァシュタイン、西部のビンゲン、南部のヴォンネガウの3つとなる。特に、ラインフロントと呼ばれるライン川の西岸・南岸沿いに有良畑が集まっている。

有名な醸造所に、ヴォンネガウのダルスハイムにあるケラー醸造所が挙げられる。ワイン専門誌「ゴー・ミヨ」において最高評価となる5房を獲得している。

つくられるワインは、リースリング種による白ワインがメインとなる。
ドイツは白ワインの一大産地として知られるが、ライン川南岸のインゲルハイム村周辺では、ポルトギーザー種やシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)種を使用した赤ワインもつくられる。

【ラインヘッセン地区の生産地区分】

<ニァシュタイン>
ラインヘッセン北東部、州都マインツの周辺地域。土壌はローテンハングと呼ばれる赤粘土板岩質。白ワインの産地となる。
ライン川西岸のラインフロントには、優良畑ローテンベルグ、ペッテンタール、ホッピング、パーターベルグ、オルベルなどが連なり、主にリースリング種による白ワインがつくられる。ミュラー・トゥルガウ種によるフルーティなワインや、アイスワイン(氷結ワイン)もある。

<ビンゲン>
ラインヘッセン地方西部。かつてカール大帝が居城を構えた地として知られる。
北部を流れるライン川と、西部のナーエ川の2つで区切られる。ライン川南岸に有力な生産地や畑が並ぶ。
インゲルハイム村ではポルトギーザー種やシュペートブルグンダー種による赤がつくられる。一方ビンゲン周辺のワインは、リースリング種やヴァイサーブルグンダー種による白がメインとなる。優良畑に、ビンゲンのシャルラッハベルクなどがある。

<ヴォンネガウ>
ラインヘッセン南部、南でファルツ地方と隣接する。ヴォルムスの町を中心とする。主に白ぶどう品種のミュラー・トゥルガウ種やシルヴァーナー種が栽培される。エレガントなワインは「ダーメン・ヴァイン(淑女のワイン)」と称される。
甘口の白ワイン、リープフラウエンミルヒ発祥の地として知られる。リープフラウエンミルヒはいまやドイツ全土で作られるが、発祥元となった聖母教会の畑を有するファルケンベルク社は、「マドンナ」の呼称を用いて区別している。