リグーリア州はイタリア北西部、ピエモンテの南にある州だ。港町ジェノヴァを中心として、ティレニア海沿岸部に広がっている。西端でフランスのコート・ダジュールに接する。気候は地中海性気候となり、温暖で豊富な日照量に恵まれる。

主なD.O.C.に、州東部の「5つの村」を意味するチンクエ・テッレ、州西部のコッリ・ディ・ルーニ、西部から北西部に広がるロッセーゼ・ディ・ドルチェアクアなどがある。なお、チンクエ・テッレはその色とりどりの美しい町並みから、世界遺産にも登録されている。

つくられるワインは、ほとんどが辛口の白ワインとなる。チンクエ・テッレの固有品種ボスコによるものは、特有の弱酸性土壌とマッチし、芳醇なアロマを持つ。
なお州全体としては、ヴェルメンティーノ種によるワインの割合が多い。

【リグーリア地区の生産地区分】

<チンクエ・テッレ>
州東部のモンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツアなど5村からなる。3つのソットゾーナを持つ。ぶどう畑は海岸沿いの急斜面にある。
固有品種ボスコに、アルバローラ種やヴェルメンティーノ種を混醸した辛口白がメイン。
半乾燥させ糖度を高めたぶどうによりつくられる、シャッケトラと呼ばれるデザートワインもある。

<コッリ・ディ・ルーニ>
州東部のラ・スペツィア県から、隣県トスカーナ州北西にあるマッサ・カッラーラ県の都マッサまでが該当。
白ワインはヴェルメンティーノ種単一品種、もしくはトレッビアーノ種などの混醸によるもの。
また、赤ワインは、サンジョヴェーゼ種にカナイオーロ・ネーロ種などを混醸したものだ。いずれも辛口のワインとなる。

<ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア>
州西部、インペリア県南西部。1972年D.O.C.指定。リグーリア州では最古のD.O.C.となる。ネルヴィア渓流のドルチェアクアを中心とし、ヴェンティミーリア、カンポロッソなどの町を含む。
ロッセーゼ種による辛口の赤がメイン。アルコール度の高いスペリオーレタイプもつくられている。