マデーラの気候・風土
アメリカ・カリフォルニア州にあるマデーラは、セントラル・バレーのほぼ中心に位置するAVA。サンフランシスコ湾の南にあるモントレー湾から、東に160kmほどにある。フレズノ郡とマデーラ郡にまたがり、面積は23万acにわたる。ぶどう栽培は、そのうちの3万8000acほどの土地で行われている。
ぶどう畑が広がっているのは、暖かくて日差しが大量に降り注ぐ平坦な土地。マデーラの中心を流れているフレズノ川など、シエラネバダ山脈を水源とするいくつもの川が流れている。土壌は主に沖積土で、水はけもよい。
ぶどうの大量生産に適した土地であり、カリフォルニア州の10%ものぶどう園がこの地に集まっている。アメリカ国内でも有数の農業に適した土地なのだ。
AVA認定はカリフォルニア州で最も古い1985年のことだった。
マデーラのワインの特徴
マデーラで最も有名なのは、マスカットを使用したコクのある極甘口の酒精強化ワイン。濃厚な琥珀色で、マスカットらしい香りやフルーティな味わいの中に、ハーブやスパイスの風味を感じるデザートワインである。こうしたマデーラの酒精強化ワインは、日本でも2000円前後で手に入れることができる。
他にも、マスカット、シュナンブラン、フレンチ・コロンバール、シャルドネ、グルナッシュ、シラー、ジンファンデル、メルローを使用したバルクワインの産地としても有名だ。
近年では大量生産路線から、質の高いワインの生産へとシフトしつつある。
エピソード
マデーラの歴史は古く、1870年代、大陸横断鉄道の西側に当たるセントラル・パシフィック鉄道建設時に、シエラネバダ山脈から木材がフレズノ川を伝ってこの地に運ばれてきた。このことから、スペイン語で「木材」を意味する「マデーラ」との地名がつけられたという。
ぶどう栽培もヨーロッパ系の移民の手により、19世紀から始められている。
マデーラの代表的なワイン
クアディー・ワイナリー エッセンシア・オレンジマスカット