スプリング・マウンテン・ディストリクト

スプリング・マウンテン・ディストリクトワインの特徴とは

   

スプリング・マウンテン・ディストリクトの気候・風土

スプリング・マウンテン・ディストリクトは、カリフォルニア北部、ナパ・バレー北西部 のワイン生産地。セント・ヘレナの西、マヤカマス山脈の低地に位置する。1993年にAVAに認定された。

この地のぶどう畑は南東では標高が低く、北西に行くほど高くなる。サン・パブロ湾を通して吹き込む冷風により低地では霧が発生するが、畑の大多数は400~600mの標高にあるため、霧の影響を受けず充分な日照時間を得られる。

夏季は高温となるが、高地ではいくぶん冷涼となる。海風の影響を受けるため、日較差はそれほど大きくならない。
夏期の平均気温は27~36度となるのに対し、収穫期の9月の平均気温は17~21度、10月には15~18度となる。(調査期間:1996~2002年)

アメリン&ウィンクラー博士の気候区分では、リージョン3(フランスローヌ地方など)からリージョン4(山梨県甲府市など)に相当する。2001年など、リージョン5(シチリア島など)相当の高温となった年もある。

降雨量は1200mm程度だが、冬季の降雨量が多い一方で、夏季は非常に少ない。
土壌は北西部の高地では火山性土壌、南東部の低地では砂岩・頁岩。岩盤の深さは総じて50cm程度で、水はけのよい土壌となる。

スプリング・マウンテン・ディストリクトのワインの特徴

主にカベルネ・ソーヴィニヨン種による赤ワインがつくられる。他にはメルロー種によるものも多く、この2品種だけで総生産量の80%前後を占める。

カベルネ・ソーヴィニヨン種によるワインは、カシスやチェリーを思わせる果実味が出やすく、はっきりとした味わいのワインとなる。
有名なワイナリーに、ジャスリン・ヴィンヤードやパロマ・ヴィンヤードなどが挙げられる。

エピソード

現在こそカベルネ種・メルロー種の産地だが、19世紀末の開拓初期にはジンファンデル種の栽培量が多かった。また、カリフォルニアワインが世界的な人気を獲得する前は、白ぶどうのリースリング種の栽培量も多かったようだ。しかし、どちらの品種も今は非常に栽培量が少ない。

スプリング・マウンテン・ディストリクトの代表的なワイン

ジャスリン・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニョン スプリング・マウンテン・ディストリクト 2009
スプリング・マウンテン・ヴィンヤード・エステート カベルネ・ソーヴィニヨン 2009
ロバート・キーナン・ワイナリー カベルネ・ソーヴィニヨン リゼルヴァ
パロマ・ヴィンヤード メルロー 2001、2005

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で