スタッグス・リープ・ディストリクト

スタッグス・リープ・ディストリクトワインの特徴とは

   

スタッグス・リープ・ディストリクトの気候・風土

スタッグス・リープ・ディストリクトは、カリフォルニア州北部のAVA(アメリカぶどう栽培地域)。カリフォルニアワインの名醸地として名高いナパ・ヴァレーにある。AVA名は諸説あるが、牡鹿が谷を飛び越えたインディアンの伝承にちなむとされる。

ナパの町の北方、オーク・ノール・ディストリクト・オブ・ナパ・ヴァレーAVAのすぐ北に隣接する。土壌は水はけのよい粘土質の沖積土壌。

周辺地域に比べ、それほど暑くならないのが特徴。これはアラスカからの寒流(カリフォルニア海流)による冷風が、サン・パブロ港を経てナパ・ヴァレー南部に吹き込むため。一般的には赤道に近づくと暑くなると思われがちだが、この地域は南下すると寒流に近づくため涼しくなる。

栽培されるぶどうはカベルネ・ソーヴィニヨン種がほとんど。こうしたテロワール(生育環境)が、この地のカベルネに独特の味わいを与える。

スタッグス・リープ・ディストリクトのワインの特徴

ほぼ全てが、カベルネ・ソーヴィニヨン種による赤ワインとなる。少量だが、シャルドネによる白ワインも生産される。

なかでも、シェーファー・ヴィンヤードによるカベルネ・ソーヴィニヨンの評価が高い。
2001年~2003年など、パーカー・ポイントにて100点を獲得したヴィンテージもある。フレッシュな果実味に、絹のようななめらかなタンニンが特徴の若々しいワインだ。他にはチムニー・ロックなどのワイナリーが有力。

エピソード

カリフォルニアは、かつて安価なテーブルワインの産地と見なされていた。その評価が一夜にして逆転したのが、「パリ事件」として知られる1976年の試飲会だ。

シャトー・オー・ブリオン、ムートン・ロートシルト。世界に名だたるフランスの赤ワインが、カリフォルニアワインと並んで、名を伏せられたままサーヴされた。そしてAOC代表や三ツ星レストランのソムリエなど、一流の舌を持つフランス人審査員により、テイスティングと採点が行われた。

赤ワインで最高評価を獲得したのは、まったく無名のカリフォルニアワイン、「スタッグス・リープ・ワイナリー1973」。彼らの舌が選んだのは、フランスの最高級ワインではなく、樹齢にしてわずか3年のカベルネ・ソーヴィニヨンだった。かくて、スタッグス・リープ、そしてナパ・ヴァレーの名は世界に知られるところとなった。

スタッグス・リープ・ディストリクトの代表的なワイン

カベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト 2001、2002、2003 / シェーファー・ヴィンヤード
カベルネ・ソーヴィニヨン / チムニー・ロック

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