ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクトの気候・風土
ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクトは、カリフォルニア北部のAVAだ。名醸地ナパ・ヴァレーの北西、ソノマ・ヴァレーとの境界となるマヤカマス山脈の山間部に位置する。北の平野部にはカリストガAVA、南の山中にはスプリング・マウンテン・ディストリクトAVAがある。
ぶどう畑の標高は200~250m程度。土壌は赤褐色の火山性土壌となる。
ナパ・ヴァレーは南部のサン・パブロ湾から霧が立ち込めることで有名だが、このAVAは霧の影響をあまり受けない。北部にあり湾から遠く、かつ標高が高いことがその理由だ。
そのため、夏季には最高気温が30度に達する一方、最低気温は10度近くにまで冷え込むなど、非常に日較差の大きい地域となる。豊富な日照時間と大きな日較差を受け、つくられるぶどうはしっかりとした味わいと、強い酸味を備えたものとなる。
ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクトのワインの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンによる赤ワインが大半を占める。ナパ・ヴァレーはカベルネの一大産地だが、こうした標高の高い地域で栽培されるものは「山カベ」と呼ばれ、平野部のものと区別される。引き締まった味わいとタンニンを持ち、長期熟成にも耐える。
W&S誌やロバート・パーカーなど、専門誌・専門家によって高く採点されたワインも多数存在する。
エピソード
ダイヤモンド・マウンテンは1860年代、ドイツ系移民のヤコブ(ジェイコブ)・シュラムによって開拓された。シュラムの名はこの地の有力畑、シュラムスバーグに受け継がれた。1965年以降は、スパークリングワインの名手として知られるジャック・デイビスがこの畑を所有している。
同じく、ダイヤモンド・マウンテンの有名なワイナリーとしてフォン・ストラッサーが挙げられる。2015年4月、ストラッサーはカベルネ12エーカーを含む、ぶどう4種15エーカーの自社畑、および醸造施設を売却した。しかしワインづくりそのものを完全に終了するわけではなく、ブランドとしては保持されるようだ。
ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクトの代表的なワイン
ジャック・デイビス ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト カベルネ・ソーヴィニヨン
フォン ストラッサー カベルネ・ソーヴィニヨン ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト
チェッカーボード カベルネ・ソーヴィニヨン ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト
ロコヤ・ワイナリー カベルネ・ソーヴィニヨン ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト