オークヴィルの気候・風土
オークヴィルは、アメリカ西海岸・カリフォルニア州にあるAVAだ。ナパ・ヴァレーのほぼ中央、ヤントヴィルとラザフォードの中間に位置する。
ナパ・ヴァレーはサン・パブロ湾から吹き込む冷風を受け、特に南部では、夜間から朝方にかけて濃い霧が立ち込める。湾からやや離れたオークヴィルでも影響がある。夏季は最高気温が30度にも達するが、日較差が大きい。
ぶどう畑の標高は30m~150m程度、年間降雨量は850mm前後。土壌は西側では砂質ローム層、東側では火山性土壌の性質を持つ。
栽培されるぶどうは、大半がカベルネ・ソーヴィニヨンとなる。ナパ・ヴァレーでは最高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンが産出される。中でもオークヴィルのカベルネは、果実味を備えた、深みのあるしっかりとした味わいのぶどうとなるのが特徴。
オークヴィルのワインの特徴
エリア東西によって土壌・気候の性質が異なることで知られる。
西側、マヤカマス山脈の麓は「オークヴィル・ベンチ」と呼ばれる扇状地だ。有名なワイナリーが立ち並んでおり、ファー・ニエンテ、オーパス・ワン、そしてカリフォルニアワインの第一人者ロバート・モンダヴィ・ワイナリーもある。
有名な畑に、マーサズ・ヴィンヤード、トカロンがある。いずれも19世紀に植樹されたもので、現在はそれぞれハイツ・ワイン・セラーズ、モンダヴィが所有しており、今なお高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを生産している。
また、ナパ川やコーン・クリークに近い東側のヴァカ山脈周辺は、立地上午後の日差しをふんだんに受ける。そのため、ぶどうはより熟成されたものになる。有名ワイナリーとしてはスクリーミング・イーグルなどが挙げられる。
エピソード
トカロンはもともと、ギリシャ語で美を意味する「カロン」という名の畑だった。1868年、ヘンリー・ウォーカー・クラブにより拓かれた、オークヴィル最古の畑だ。
20世紀に入り1960年、ロバート・モンダヴィがこの畑を購入。モンダヴィは当時珍しかったステンレス・タンクによる醸造を取り入れるなど、近代カリフォルニアワインの第一人者として改革の旗手を担った。
その後、1976年のパリ・テイスティングを経て、カリフォルニアワインは世界的な人気を獲得していく。
オークヴィルの代表的なワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン・オークヴィル / ファー・ニエンテ
カベルネ・ソーヴィニヨン / ハイツ・ワイン・セラーズ
カベルネ・ソーヴィニヨン 2011 / スクリーミング・イーグル
オークヴィル・カベルネ・ソーヴィニヨン / ロバート・モンダヴィ