ワイルド・ホース・バレーの気候・風土
ワイルド・ホース・バレーは、カリフォルニア北部のAVAだ。ナパ・バレー東部、ヴァカ山脈の山中に位置するヒルサイドAVAとなる。
ぶどう畑の標高は400m前後。ナパ・バレーは、特に平野部において、サン・パブロ湾から立ち込める霧が気候に大きな影響を及ぼす。しかしワイルド・ホースは標高が高いため、霧の影響を受けにくい。このため、豊富な日照時間に恵まれ、日較差の大きな地域となる。
こうした特徴は、ナパ・バレー周辺のヒルサイドAVAに共通している。西側のマヤカマス山脈周辺、スプリング・マウンテンやダイヤモンド・マウンテンといったAVAでも同様の傾向がみられる。
降水量は950mm程度だが雨季と乾季の差が激しい。加えて土壌の保水力が弱いことから、ぶどう栽培には充分な水量の確保が求められる。
ワイルド・ホース・バレーのワインの特徴
ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンによる赤ワイン、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランによる白ワインがつくられる。ナパ・バレーの平野部AVAはカベルネ・ソーヴィニヨンの世界的産地として有名だが、ワイルド・ホースでは上記のようなブルゴーニュ品種の割合も多い。
なお、カリフォルニアの著名なワイナリーで、同じくピノ・ノワールを得意とするワイルド・ホース・ワイナリーがあるが、このAVAとは異なる。こちらはカリフォルニアの南セントラル・コースト(テンプルトン)に位置する。
エピソード
大手ゲームメーカー、カプコンの創業者にして、代表取締役を務める辻本憲三氏。同氏はワイルド・ホースでのワインづくりに注力し、ケンゾー・エステート・ワイナリーを2010年に開設させた。
ナパ・バレーのワイナリーの大部分が白人により経営される中、日本人によるワイナリーは非常に珍しい。
同ワイナリーによってつくられた、ソーヴィニヨン・ブランによる「あさつゆ2013」は、ワイン評価アプリVIVINO WINEによるレーティングで、ベスト・オブ・ソーヴィニヨン・ブランを獲得した。(ソノマ・バレーのメリー・エドワーズと同率1位)
ワイルド・ホース・バレーの代表的なワイン
KENZO ESTATE あさつゆ 2013
KENZO ESTATE 紫鈴 2012