チャハレム・マウンテンズの気候・風土
チャハレム・マウンテンズは、アメリカ・オレゴン州にある。ウィラメット・バレーAVAに属し、フォレストグローヴからウィルソンビルまで全長32kmの範囲に広がっている。
チャハレム・マウンテンズの中には、バレット山、ボルド・ピーク、リボン・リッジなどの山々があり、なだらかに広がる丘陵地はぶどう栽培に最適だ。
数々の山々があるチャハレム・マウンテン地区の土壌は、標高や地域により特徴が異なる。赤い粘土質で酸度は低めだがPHが高いジョリーとネキア(火山性土壌)、灰色の土でPHは低いが排水性が良好なウィラケンジー(海底堆積土壌)、位置や標高などで特性が異なる茶色い土質のローレルウッド(氷河流土砂質・シルト土壌)など、大きく分けて3種類の土壌で形成されている。
夏は乾燥して暖かく冬は湿潤で寒い地中海性気候が、チャハレム・マウンテンズ地区のベースになっている。しかし、標高差が激しい場所では同地区であっても気候やぶどうが完熟するまでの期間に大きな違いがある。
チャハレム・マウンテンズのワインの特徴
前述のとおり、チャハレム・マウンテンズは大きく分けて3種類の土壌から形成され、土壌特性の違いがワインの味や風味などに関係している。また地中海性気候であることから、ピノ・ノワール、リースリング、シャルドネといったぶどう品種が主に栽培されている。
ジョリーやネキアなどの火山性土壌は、玄武岩の上に3m以上の深さで広がっている。冷たい土壌になっているため、ぶどうは晩熟傾向になる。この土壌で育ったピノ・ノワールを使ったワインは、透明感のある美しい赤色。赤系の果実の風味、華やかさの中にデリケートな繊細さが備わっているがタンニンは強くない。
海底堆積土壌は重めの土壌のため、ぶどうが早く完熟する。そのため、この土壌で栽培されたピノ・ノワールでつくったワインの色味は赤紫色になる。黒系果実の風味やスパイシーさ、高い酸度とタンニンによって、しっかりとした味わいが演出されている。
ローレルウッド土壌では位置や標高による特性が強く表れるため、火山性土壌や海底堆積土壌、両方の特性が生かされたエレガントなワインが生み出される。
エピソード
ウィラメット・バレーでは、2001年からアデルスハイム・ヴィンヤードのデイヴィッド・アデルスハイムを筆頭に、チャハレム・マウンテンズAVA設立のための請願活動が始まった。
それぞれのエリアの土壌、地勢、微気候の違い、そしてワインサンプリングを重ねて、連邦政府へ土壌とワインのサンプルを提出。数年間にわたり申請を続けた結果、2006年にチャハレム・マウンテンズAVAが誕生した。
チャハレム・マウンテンズの代表的なワイン
ピノ・ノワール ヌアージュ チュヘイラム・マウンテンズ・キュヴェ/ J.クリストファー
ピノ・ノワール チュヘイラム マウンテンズ/シドゥーリ
ピノ・ノワール チュヘイラム・マウンテンズ/ラッキーニ・ヴィンヤーズ
ピノ・ノワール “エステート” チュヘイラム・マウンテンズ/ラッキーニ・ヴィンヤーズ
ピノ・ノワール チュヘイラム・マウンテンズ/シドゥーリ