ウィラメット・バレーの気候・風土
ウィラメット・ヴァレーは、ウィラメット川に囲まれる地域。北はポートランドから南はユージンまでの南北で約250km、西はオレゴン海岸山脈から東はカスケード山脈まで東西で約100kmにわたり広がっている。
1年を通して大きな温度変化がなく、春季後半から秋季前半には雨が少ない。乾燥しがちだが温暖で、柔らかい日照が長く続く。秋季後半から春季前半には雨が多いが、氷点下まで冷え込むことはほとんどない。年間では全体的に冷涼で高湿度だ。
ウィラメット・ヴァレーの土壌は、赤土でPHが高く酸度が低いジョリー土壌と、灰色でPHが低く排水性が高いウィラケンジー土壌、茶色い土壌で位置や標高で保水性やPHが異なるローレルウッド土壌で形成されている。
ウィラメット・バレーのワインの特徴
ウィラメット・ヴァレーで生産されているワインは、地域の土壌によって味が変わる。ジョリー土壌で育ったぶどうを使ったワインは、タンニンがあまり強くなく、レッドチェリーなどのスイートな赤い果実味をしていて透明感のある赤い色調となる。
ウィラケンジー土壌のぶどうを使ったワインは、高い酸度としっかりとタンニンが効いていてダークフルーツの果実を使った赤紫色。ローレルウッド土壌のぶどうを使うと、エレガントな味わいに仕上がる。
冷涼で高湿な気候の特徴からピノ・ノワールの名産地として有名。ピノ・グリ、シャルドネ、リースリングなども栽培されている。
湿度が高い地域ではぶどうを成熟させるのは難しいと言われているが、手間と時間をかけてつくり上げたワインは、とても繊細で複雑な風味。冷涼な気候で栽培されたからこそ生まれたクリーンな酸味がクールな余韻となって駆け巡る。完熟果実の芳香で滑らかな口当たりがとても優しく上質な味わいだ。
ウィラメット・ヴァレーは、ワイナリーやぶどう園が大小合わせて200件以上あり、オレゴン州全体の66%を占めている。全米におけるワインの生産量は第3位で、ワイン天国とも称される。フルーティーかつ繊細な赤ワインのピノ・ノワールは世界でも名を馳せており、全世界からぶどうとワインの名産地として注目されている地域だ。
エピソード
クリントン元大統領の任期中、主にウィラメット・ヴァレーで醸造されているオレゴンワインが接客用ワインとして採用された。ピノ・グリ、リースリングなどのビンテージワインを含む数多くのワインが大統領の来客たちをもてなした。
ウィラメット・バレーの代表的なワイン
スリー・ヴィンヤード・ピノ・ノワール/チュヘイラム
スリー・ヴィンヤード・ピノ・グリ/チュヘイラム
スリー・ヴィンヤード・リースリング/チュヘイラム
ピノ・ノワール・リザーヴ/チュヘイラム
ピノ・ノワール・ストーラー・ヴィンヤーズ/チュヘイラム
ピノ・ノワール ウィラメットヴァレー/ウィラメットヴァレー ヴィンヤーズ
ピノ・ノワール・シェイ・ヴィンヤード/ペナー・アッシュ
ピノ・ノワール・リッジクレスト・ヴィンヤード/リボン・リッジ
ピノ・ノワール・デュッシン・ヴィンヤード/ペナー・アッシュ
ピノ・ノワール・シェイ・ヴィン/ベルグストロム