コロンビア・ゴージュの気候・風土
コロンビア・ゴージュは、ワシントン州とオレゴン州にまたがる政府承認のぶどう栽培地域A.V.A.である。2004年に認定された。
ワシントン州は、カナダ国境と接するアメリカ西海岸最北の州。オレゴン州との州境にはコロンビア川が流れる。州の中央には南北にカスケード山脈が連なり、西の海岸部と東の内陸部を隔てている。
コロンビア・ゴージュは、コロンビア渓谷に広がるA.V.Aで、西部と東部の中間に位置する。そのため、西部と東部で気候が異なる。西部は、海の影響を受けるため涼しい海洋性気候に属し、降水量は年間1000mmほど。東部は、大陸性砂漠気候に属し、降水量は年間250mmほどしかない。
土壌も西部と東部で異なる。西部は古い火山性泥岩で形成された赤い土、東部は玄武岩の破片を含む灰色の土となっている。
コロンビア・ゴージュのワインの特徴
コロンビア・ゴージュのぶどう栽培面先はおよそ200ha。ぶどう畑は、標高0mに近いところから標高2000mに至る高いところまで、さまざまな場所に存在する。
また、西部と東部で気候が異なるため、栽培されているぶどうの品種も異なる。西部では、涼しい気候に適したピノ・ノワールや、ゲヴェルツトラミーネ、シャルドネ、ピノグリ、リースリングといった品種が栽培されている。
一方、東部では、暑い気候に適したカベルネ・ソーヴィニヨンや、シラー、ジンファンデル、バルベーラといった品種が栽培されている。
気候をはじめ、土壌や気候が異なり、栽培されているぶどう品種も多様であるため、同A.V.A.のワインを一様に表すことはできない。ただ、他のワシントン種産ワインと同様に、香りと味がしっかりしていて、洗練されたワインが多い。
エピソード
アメリカで生産されるワインのほとんどはカリフォルニア州産だが、ワシントン州産ワインの生産量も徐々に伸びてきている。また、ワシントン州産のワインは、品質が良く国際的にも高い評価を得るようになってきた。
それに伴い、ワイナリー巡りを目的とする観光客も増加している。そんな中、コロンビア渓谷に位置し、自然に囲まれたコロンビア・ゴージュは、トレッキングなどを楽しめるとともに、ワイナリー巡りもできる観光地として人気がある。
コロンビア・ゴージュの代表的なワイン
セライロ・ヴィンヤード シャルドネ/ケン・ライト・セラーズ
ブルックス・オーク・リッジ・ゲヴュルツトラミネール/ブルックス・ワインズ
フランシス・タナヒル・ゲヴュルツトラミネール/ドラゴンフライ・ヴィンヤード