コロンビア・バレーの気候・風土
コロンビア・バレーは、アメリカ・ワシントン州、オレゴン州の2州にまたがるAVA。1984年認定。ぶどう畑の面積1万6000haを誇る、ワシントン州最大のAVAだ。
ヤキマ・バレーやワラ・ワラ・バレー、レッド・マウンテン、ワルークスロープ、ラトルスネーク・ヒルズ、ホースヘヴンヒルズ、スナイプスマウンテン、レーク・シェランというワシントン州の8つのAVAをサブゾーンとして含む。ワシントン州のワインのほとんどが、この広大なAVAでつくられている。
気候区分としては大陸性気候に属し、年間降雨量は非常に少ない。これは主にカスケード山脈の雨隠効果によるもので、シアトルなどの都市がある州西部では対照的に雨量が多くなる。
またワインのぶどう栽培土地区分におけるリージョン2にあたり、ブルゴーニュやボルドーと近い緯度のため、さまざまなぶどう栽培の可能性が試されている。全般的にはボルドー品種やコート・デュ・ローヌ系品種の栽培に適していると言われる。
土壌はミズーラ洪水により運ばれた、砂質やシルトによる、水はけのよい沖積土壌。ワインで有名なカリフォルニア州からさらに南に位置するため、同州よりも豊富な日照時間に恵まれる。夏季には、1日の日照時間は17時間以上にも及ぶ。
昼夜の気温差も大きく、これはぶどうの健全な成熟を支え、同時にエレガントな酸をもたらす。
コロンビア・バレーのワインの特徴
白ワインはリースリングやシャルドネ、赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シラーを主原料とする。カリフォルニア州と比べ、エレガントな味わいとなるものが多い。
有名なワイナリーとしてはクィルセダ・クリーク、シャトー・サン・ミッシェルなどが挙げられる。特にクィルセダ・クリーク(Quilceda、クィルシーダとも)のカベルネは評価が高く、パーカーポイント100点を獲得したヴィンテージ(2002、2003、2007)も存在する。
一押しのワイナリー/当たり年
コロンビア・バレーの生産者のうち、各方面にて高い評価を得ているつくり手として、グラマシー・セラーズ、コロンビア・クレスト、トゥー・ヴァインズ、ロング・シャドウズ、キャッスルロック、ブルックス、ノーススター、エフエスティ、ナイン・ハッツ・ワインズ、ミルブラント・ヴィンヤーズなどが挙げられる。
ワシントン州のワインは過去20年ほど安定した気候に恵まれ、2007年と2012年の出来が特に良いのを除いては、当たり、外れと指摘するべき年は見当たらない。
エピソード
フランスに代わる新世界ワインの代表として、アメリカワインでは、カリフォルニア州が注目されてきた。しかし、昨今はワシントン・ワインも注目されつつある。
ワイン・スペクターやワイン・アドヴォケートといった専門誌においても、90点以上の高い評価を得るワインが少なくない。
特に、2010年のワイン・スペクター誌においては、州全体のワインのうち50%が90点以上のポイントを獲得した。これは、フランス(同41%)を上回る非常に高い評価といえる。
コロンビア・バレーの代表的なワイン
シャトー・サン・ミッシェル コロンビア・バレー シャルドネ
シャトー・サン・ミッシェル コロンビア・バレー リースリング
クィルセダ・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨン コロンビア・バレー
クィルセダ・クリーク シー・ヴイ・アール コロンビア・バレー
グラマシー・セラーズ カベルネ・ソーヴィニヨン コロンビア・バレー
グラマシー・セラーズ ジョン・ルイス シラー
コロンビア・クレスト・リザーブ カベルネ・ソーヴィニヨン
ロングシャドウズ シークォル シラー
ノーススター コロンビア・バレー メルロー