コート・ド・トゥール

コート・ド・トゥールワインの特徴とは

   

コート・ド・トゥールの気候・風土

コート・ド・トゥールは、ロレーヌ地方の中央にあるワイン生産地である。トゥール市の南西に位置し、モーゼル河の左岸に沿って20kmにわたり南北に伸びている。土地の気候は大陸性気候であり、降雨量も年間で800mm以下と比較的少ない。
夏の激しい夕立にさらされることも少ないため、ワイン作りには適した気候であるといえる。土壌は深さ2mほどの粘土石灰質であり、フランス革命以前はトゥール地区の司教によってブドウ栽培が行われていた。
コート・ド・トゥールがAOCに昇格したのは1998年のこと。また2010年には、モーゼル河沿いの北部にある近隣のモーゼルがAOCに昇格した。

コート・ド・トゥールのワインの特徴

コート・ド・トゥールで生産される代表的なワインとしては、白ワインが挙げられる。マンゴーやライチ、グレープフルーツといった柑橘系果実のフルーティなフレーバーが特徴だ。
また、ヴァン・グリと呼ばれる独特の製法で作られるワインがある。ヴァン・グリとはフランス語で「灰色」という意味で、黒ブドウを用いて白ワインの手法で作成されたワインのことを指す。アロマはチェリーやカシスのような小さな赤い果実を思わせるもの。味があり、余韻が長く続くのがコート・ド・トゥールの魅力である。

Gris-de-Toul

エピソード

かつてのロレーヌ公の強い意向もあり、コート・ド・トゥールではブドウ栽培が推し進められてきた。1860年ごろにはブドウ畑として隆盛を迎え、当時の農地面積は5万haにも達した。しかしその後、1870年以降のフィロキセラによる深刻な虫害と、独仏戦争などのあいつぐ戦禍、さらには産業革命による人手不足などで、農地として消滅の危機に瀕した。
復活の兆しが見えたのは1950年ごろ。時の市長が復活を図るためブドウ技術者を積極的に呼び込み、折からのフランスの高度成長もあいまって、ワインの産地として再び隆盛を迎えるに至った。

コート・ド・トゥールの代表的なワイン

コート・ド・トゥール オーセロワ / ドメーヌ・ルリエーヴル
コート・ド・トゥール グリ・ド・トゥール / ルリエーヴル
コート・ド・トゥール ピノ・ノワール / ルリエーヴル

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