リストラック・メドック

リストラック・メドックワインの特徴とは

   

ボルドー地方の地域AOCオー・メドックの中にある独立した赤ワインのAOCで、6つある村名AOCのひとつである。

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Listrac-M?doc, Gironde, ?glise Saint Martin bu IMG 1416” by UnozoeOwn work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

リストラックとはフランス語で「周辺」を意味する言葉で、このAOC名はメドックの周辺という位置を示した名前である。
AOCムーリスとほぼ同質の地形と土壌の上にあり、栽培ブドウ品種も栽培方法も同じである。土壌はメドック地区の中でも地質的に独特である。ブドウ栽培に最適な下層土壌は、太古の地殻変動によってドーム状に持ち上げられ、その後の浸食と堆積作用によって石灰と粘土と砂利で構成された丸い頂きとなった。一方この地殻変動の反動で、川岸寄りには優良な畑がない。
なお、サン・ジュリアンマルゴーは、この一帯を避けた位置の川岸に位置する。

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Mayne-Lalande-1998“. Licensed under via Wikimedia Commons.

広さは635ヘクタールで、ムーリスとほぼ同じであるが、ムーリスは約30の生産者と数が少ないのに対して、リストラック・メドックは100人以上の人に所有され、150以上の家族によって生産されている点が異なる。従って、生産者ごとに造るワインの質が均一でなく、とりわけ繊細さについては欠けているとも評されるが、近年は若い生産者の活動によってこの点が強化されてきた。

Chateau Lestage, Listrac Medoc Cru Bourgeois

ワインはムーリスに比べて早熟の傾向にあるが、これはリストラック・メドックのワインがカベルネ種よりメルローの比率が高いことによる。使用品種はメルローを主として、カベルネ・フランカベルネ・ソーヴィニヨンである。このAOCを名乗ることが認められているのは、AOC名の由来となっているリストラック・メドック村で栽培されたブドウを使ったワインのみである。このAOCは他の村名AOCより20年程遅れた1957年に指定を受けている。当初はリストラックという名であったが、1986年に村名と同じ現在の名称に変更された。メドック地区の格付けシャトーは有さず、メルローの比率が高いこともあり他のメドックワインに比べると軽めではあるが、比較的バランスの良い飲み口のワインとされている。

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