プティット・シャンパーニュの気候・風土
プティット・シャンパーニュとは、フランス・シャラント県のコニャックにあるブランデー生産地だ。1938年にコニャックAOCとして法令で指定を受けている。
対象となる生産地域は、シャランテ川の南側の流域となる。同じコニャックAOCで最上級ブランドのグランド・シャンパーニュ地域の外側を囲むように広がっており、シャトーヌフやバルブシュー、ジョンザックなどを含む地域が該当する。
栽培されるぶどうはコロンバール、フォル・ブランシュ、ユニ・ブランの3品種だが、実際にはほとんど(90%以上)がユニ・ブランでつくられる。また、混醸用にジュランソン・ブランやセミヨンも少量栽培されている。
地層は密度の低い石灰質で構成されている。炭酸カルシウムなどのミネラルを豊富に含んだ土壌が、栽培されるぶどうに深い味わいを与える。大西洋からの海風の影響も強い。
プティット・シャンパーニュのワインの特徴
白ぶどうからワインがつくられ、それを蒸留して濃厚なブランデーがつくられる。
ワインの原料となるユニ・ブランは酸味が強くアルコール度数はあまり高くないのが特徴だが、こうした特性はブランデーに重要な役割を果たす。
蒸留する過程で強い酸味は芳香成分となり、またアルコール度数が高くない分、たくさんのワインから旨みが凝縮したブランデーになる。ぶどうの持つ特性が、そのまま利点となるのだ。コニャックにおいて、ユニ・ブランはサンテミリオンと呼称され、たいへん重宝される。
グランド・シャンパーニュと同様、独特のフローラルブーケと上品な味わいがある。プティット・シャンパーニュのほうが、やや穏和な味わいとなるのが特徴だ。
エピソード
プティット・シャンパーニュとグランド・シャンパーニュのブレンドからなるウイスキーのことをフィーヌ・シャンパーニュという。グランド・シャンパーニュが50%以上含まれることが条件だ。
プティット・シャンパーニュの代表的なブランデー
プティット・シャンパーニュ ディスティラリー・コレクション / ルイ・ロワイエ