パトリモニオの気候・風土
パトリモニオは、地中海西部にあるフランス領コルシカ島に位置する。島の北部にカップ・コルスと呼ばれる半島があり、その西側の付け根にある小さなA.O.C.で、ぶどう培面積はおよそ450haだ。
日照時間が長く、年間を通して温暖な地中海性気候となっている。土壌は石灰質。
パトリモニオのワインの特徴
パトリモニオで栽培されるぶどうは、土着の品種やイタリア系の品種が多いため、フランスワインとイタリアワインの中間のようなワインが産出される。
コルシカを代表する品質の良いワインがつくられるが、作り手による差が大きいことも否めない。生産量が少ないため、輸出されるワインは少ない。
赤ワインは、同A.O.C.が発祥の地とされているニエルキオ種を90%以上使用することが定められている。これに、グルナッシュ種やサンソー種、シラー種を混ぜてワインをつくる。鮮やかな色味をしていて、力強い味わいに仕上がるのだ。
白ワインは、主にヴェルメンティーノ種を使用してつくられている。果実味が豊かで辛口だ。
ロゼワインは、赤ワインと同じニエルキオ種を使って、セニエ方式でつくられている。果実味が豊かな若飲みタイプとなる。
Par Vronique PAGNIER Travail personnel, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15378017
エピソード
パトリモニオがあるコルシカ島は、ナポレオンの生まれ故郷として有名。1768年にフランス領になるまでは、イタリアのジェノバ王国に属していた。先住民は、独自の言語であるコルシカ語を使用し、フランス本土とは異なる、独自の文化を育んだ。
ワインづくりの歴史は古く、コルシカ島を植民地支配していたギリシャ人によってもたらされ、紀元前6世紀にはワインづくりが行われていたとされる。
19世紀に入り、フィロキセラ禍によって壊滅状態に陥ったが、戦後、アルジェリア独立に伴う移住者により復活を遂げた。
パトリモニオの代表的なワイン
パトリモニオ・グロット・ディ・ソール/ドメーヌ・アントワーヌ・アレナ
パトリモニオ・カルコ・ブラン/ドメーヌ・アントワーヌ・アレナ
パトリモニオ/ドメーヌ・コルドリアーニ
パトリモニオ・ブラン/ドメーヌ・サンタマリア