コルナスの気候・風土
コルナス(Cornas)はローヌ北部の東側に位置する。山々に囲まれた地域に隣接しているため、急斜面を利用してぶどうを栽培している。ただ、コート・ロティなどと比べるとそれほど険しい傾斜ではない。畑の面積は約140haと狭いが、歴史のあるぶどう畑として知られている。
コルナスのぶどう畑は、前述のように南向きの急斜面にあり、厳しい太陽光を浴びる。そのために「コルナス」という地名も、もともとはケルト語で「焼けた大地」という意味がある。
コルナスのワインの特徴
ローヌ北部のぶどう畑は、シラー種のみを栽培していることが多い。ただ、シラー種メインで作る赤ワインでも、10%ほどは別の品種をブレンドすることも決して珍しくはない。
しかしコルナスの赤ワインは、厳選されたシラー種のみで赤ワインを作り出すところにこだわりがある。他にはないシラー種100%のフルボディワインは飲み応えも格別。濃厚でパンチのある味わいを堪能できるところがコルナスの赤ワインの特徴だ。
深みのある赤い色合いで、独特の渋みと酸味が調和する。コルナスのワインは、どこにも存在しない個性的な赤ワインであると言われている。
一押しのワイナリー/当たり年
コルナス(Cornas)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、ロマン・デュヴェルネイ(Romain Duvernay)、アラン・ヴォージュ(Alain Voge)、ポール・ジャブレ(Paul Jaboulet)、ドメーヌ・クールビ(Domaine Courbis)、ジャン・リュック・コロンボ(Jean-Luc Colombo)、シャプティエ(Chapoutier)、大岡弘武、イヴ・キュイエロン(Yves Cuilleron)、ドメーヌ・ヴァンサン・パリ(Domaine Vincent Paris)、オーギュスト・クラープ(August Clape)などが挙げられる。
ローヌのワインは2010年、2009年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1995年、1990年の出来が良いと評価される。コルナスのワインは5000円台から1万円台までの幅広い価格・値段にて販売されている。
エピソード
ローヌ北部で評価の高い赤ワインの産地としては、コート・ロティ、エルミタージュなどがあるが、コルナスのワインもこの2つに劣らない完成度となっている。
シラー種100%の赤ワインが作り出される貴重な地域ということもあり、特徴的でエレガントな赤ワインを楽しみたいのなら、コルナスのワインは外せないところだ。
しかも、約140haのわずかな敷地面積の中でも、生産者の作り方によって出来栄えが左右される。コルナスのワインそれぞれに、個性的なスパイスとボディが感じられ、そうした違いを楽しめるのもコルナスワインの魅力だろう。
コルナスの代表的なワイン
コルナス アラン・ヴォージュ
コルナス サン・スーフル
コルナス ドメーヌ・デュ・テュネル