エルミタージュ

エルミタージュワインの特徴とは

   

エルミタージュは、シラー種のみを使用した赤ワインで有名。長期熟成が可能で、10年から20年寝かせるとベストな状態になる。その歴史は古く、フランスの宮廷御用達ワインになったばかりか、ロシア皇帝のお気に入りワインであったという。

エルミタージュの気候・風土

「ローヌ川の奇観」とも呼ばれるほど見事な段々畑が広がるエルミタージュ(Hermitage)。すり鉢状の丘の上で、ぶどう栽培を進めている。

エルミタージュは140haほどの狭い地域。エルミタージュを囲むようにしてクローズ・エルミタージュのぶどう畑が存在し、こちらは1200haとコート・デュ・ローヌ北部地区で最大の広さを誇るが異なる産地。ワインの生産量としては、赤が4000hL、白が1200hLほどだ。

エルミタージュには9つのぶどう畑があるが、全てシラー種のみを栽培し、それぞれの畑のやり方で熟成させていく。花崗岩ベースの砂利土壌で、水はけが良くぶどう栽培に適している。

Vineyard Hermitage

エルミタージュのワインの特徴

エルミタージュで有名なワインは、シラー種のみを使用した赤ワイン。少量だが、ルーサンヌ、マルサンヌといったぶどうを使った白ワインもつくられている。

熟成された樽の特徴を上手く生かしながら深い味わいを引き出すエルミタージュの赤ワインは、口に含むとカシスやベリーなどの酸味が広がる。赤ワインの奥行きをしっかりと堪能できる仕上がりで、その香りは優しい余韻となって口の中に広がり続けると評されている。ジビエ料理、牛肉、肉の煮込みなど肉料理全般に合わせやすいワインだ。この赤は、シラー85%以上の使用が義務付けられている。長期熟成が可能で、10年から20年寝かせるとベストな状態になる。

赤ワインと比較して、白ワインはパッションフルーツを思わせる黄金色。ボディはボリューム感があり、アプリコットやパイナップル、またキンモクセイといった甘い香りが広がる。豊かな果実味と適度な酸味がバランス良く、クリーム系のベシャメル・ソースやバターを使った魚介料理に合うとされる。

The Wine Was Pretty Good

一押しのワイナリー/当たり年

エルミタージュ(Hermitage)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、ドゥラス・フレール(Delas Freres)、ジャン・ルイ・シャーヴ(Jean-Louis Chave)、ギガル(Guigal)、シャプティエ(Chapoutier)、ポール・ジャブレ・エネ(Paul Jaboulet Aine)、ドメーヌ・ベル(Domaine Belle)、フェラトン(Ferraton)、ニコラ・ペラン(Nicolas Perrin)、タルデュー・ローラン(Tardieu-Laurent)、ドメーヌ・マルク・ソレル(Domaine Marc Sorrel)などが挙げられる。

ローヌのワインは2010年、2009年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1995年、1990年の出来が良いと評価される。3000円台から数万円までの幅広い価格・値段で販売され、有名な生産者のものは高価である。

Chante-Alouette 1991 in glass

エピソード

エルミタージュのワインづくりの歴史は古く、10世紀ころまでさかのぼることができる。しかし産地としての名声を得たのは17世紀、ルイ14世の時代になってからだ。その後、その評判はとどまるところを知らず、フランスの宮廷御用達ワインはおろか、ロシア皇帝のお気に入りワインであったという。

18世紀には、その色調の濃さとインパクトから、ボルドーワインの補強用にブレンドされたこともあった。現在でも、北部ローヌを代表するワインとして世界で愛飲されている。

excellent year

エルミタージュの代表的なワイン

エルミタージュ オートルムン/ドメーヌ・デ・レメジエール
エルミタージュ ジャン・ルイ・シャーブ

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