リラックの気候・風土
リラックはフランス南部、ローヌ地方に位置するAOCだ。1992年にAOCに認定された。
ローヌ川右岸の4つの村(リラック、ロックモール、サン=ジュニエ=ド=コモラ、サン=ローラン=デ=ザルブル)が属する。リラック村から南に3kmほどの地点には、ロゼワインで有名なタヴェルAOCがある。
??Jeunes vignes ? Saint-Geni?s-de-Comolas?? par jean-louis zimmermann ? http://www.flickr.com/photos/jeanlouis_zimmermann/2500307832/. Sous licence CC BY 2.0 via Wikimedia Commons.
土壌は砂質や石灰岩土壌、丸石に覆われた赤い粘土土壌が、パッチワーク状に混じった複雑なもの。丸石は保温性があり、昼間の熱を蓄え、ぶどうに深い熟成を与える。
栽培品種は、黒ぶどうではグルナッシュ種、シラー種、ムールヴェードル種、白ぶどうではクレレット種、グルナッシュ・ブラン種など。
リラックのワインの特徴
赤、白、ロゼが作られるが、現在はフルボディタイプの赤ワインが最も多く生産される。
ブラックベリー、チェリーなど果実の凝縮された味わい。濃いルビー色となり、酸味と甘さがバランスよく感じられ、長いストラクチャーを持つ。しばしばコート・ドゥ・ローヌ・ヴィラージュやシャトーヌフ・デュ・パプと並び称えられる。5年以上の長期熟成に耐えるワインが多い。
白ワインは、クレレット種やグルナッシュ・ブラン種による香り高いものとなる。ロゼワインも作られるが、隣接するタヴェルのロゼが非常に有名なため、近年は影に隠れてしまっている。
有力ドメーヌとしてはシャトー・ド・セグリエス、ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ、ラフォン・ロック・エピヌなどが挙げられる。有機栽培を行うドメーヌも多い。
“Lirac – Ch?teau Le Devoy Martine” by Marianne Casamance – Own work. Licensed under CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons.
エピソード
リラックのワインづくりは、紀元前からの古い歴史を持つ。
1863年に、害虫フィロキセラの被害が最初に確認された地域としても知られる。19世紀のワイン産業に壊滅的被害を与えたフィロキセラは、ヨーロッパ種(ヴィニス・ヴィニフェラ)のみでは対策が難しく、最終的にアメリカ種(ヴィニス・リパリア)への接木を行うことで収束へと向かった。リラックでも大変な打撃を蒙り、ワイン産業が復興するのは1960年代以降となる。
リラックの代表的なワイン
ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ リラック・ルージュ・キュヴェ・レーヌ・デ・ボワ