レ・ボー・ド・プロヴァンスの気候・風土
レ・ボー・ド・プロヴァンスは、フランス南東部のリゾート地であるプロヴァンス地方に位置する。プロヴァンス地方の最も西にあるA.O.C.で、アルピーユ山脈周辺の7つの村から成る。プロヴァンス地方のA.O.C.としては珍しく海に面していない。
ぶどう栽培面積はおよそ300haで、アルピーユ山脈の西側に畑が広がっている。土壌は小石が多く水はけが良い。気候は、日照時間の多い地中海性気候だ。
レ・ボー・ド・プロヴァンスのワインの特徴
レ・ボー・ド・プロヴァンスは、1995年にA.O.C.に認定された。それ以前は、コトー・デクス・アン・プロヴァンスの一部だった。
赤、白、ロゼワインを生産しているが、白ワインはA.O.C.認定に含まれていない。同A.O.C.でつくられるワインは個性的。また、有機農法やビオディナミック農法を行っている生産者が多いことでも有名だ。
プロヴァンス地方では、ロゼワインの生産が主流。ただ、レ・ボー・ド・プロヴァンスでは赤ワインが多くつくられていて、生産量のおよそ60%を占めている。ロゼワインはわずか30%ほどだ。
赤ワインは、主にグルナッシュ種や、シラー種、ムールヴェードル種、サンソー種を使ってつくられる。樽熟成を最低12カ月行っている。熟成タイプのワインで力強さを感じる。ロゼワインはセニエ方式でつくられていて、爽やかさを楽しめる。ただし、生産者によって、品質にばらつきがある。
エピソード
A.O.C.レ・ボー・ド・プロヴァンスは7つの村からなる。その中の1つの村の名前がレ・ボー・ド・プロヴァンスという。
現在、レ・ボー・ド・プロヴァンスは、ワインとオリーブ、観光で有名だが、以前は、ボーキサイトの採掘が盛んだった。1822年にレ・ボー・ド・プロヴァンスでボーキサイトが発見され、一帯で採掘が行われた。その結果、20世紀末には枯渇してしまったのだ。
しかし、レ・ボー・ド・プロヴァンスは、石灰質の白い台地とオリーブの緑、中世やルネサンス期の建物が残る街並みが調和し、フランスで最も美しい村の1つに数えられている。そのため、観光地として有名で人気が高い。
レ・ボー・ド・プロヴァンスの代表的なワイン
レ・ボー・ド・プロヴァンス・キュヴェ・ルーカス・ルージュ/ドメーヌ・オベット
クロ・ミラン・レ・ボー・ド・プロヴァンス/アンリ・ミラン
ドメーヌ・ド・トレヴァロン/ドメーヌ・ド・トレヴァロン