ベアルンの気候・風土
ベアルンはフランス南西部に古くから存在する州で、かつてのベアルン州の首都であった。
スペイン国境に程近いピレネー山脈の麓、バイヨンヌの東に位置しており、今のピレネー・アトランティック県の一部。一般的に、「バスク地方」という名称でよく知られている地域だ。
カーヴ渓谷の丘陵地帯にぶどう畑が広がり、ベロックの丘を中心に、マディランに隣接する地区、ジュランソンに接する地区といった3カ所でぶどうが栽培されている。
気候は、ピレネー山脈と大西洋の恩恵を受けて温暖。夏は高温になり秋にも気温があまり低くならない。晴天が多いが適度の雨も降るため、ブドウの生育・完熟には最適な条件がそろっている。
土壌は泥灰岩質や石灰質の粘土層。大きな玉石がごろごろ顔を出している。
ベアルンのワインの特徴
ベアルンでは赤ワイン・白ワイン・ロゼワインがつくられる。ベアルンのワインは長期熟成させず、若飲みが主流となっている。
ワイン用ぶどうの品種は赤・ロゼがタナ、カべルネ・ソーヴィニヨン&カベルネ・フラン、マンサン、クルビュー。白がグロ&プチ・マンサン、グルビュー、カマラレ、ソーヴィニヨン&フラン、ラフィア。
赤は色が濃く、なめらかで芳香に富む。力強い味わいをもたらすタナ種が混ざっていたり、マンサン種を使ったりするため、独特の風味が生まれてサクランボのような個性的な香りを持つ。
白は透き通った淡い黄色。複雑な芳香でアカシアや熟れた果実のアロマを持ち、生き生きとした辛口となっている。
この地域で最も有名なロゼは光沢があり、さまざまな色調を見せる。強い花の芳香を持ちフルーティーで生き生きとしていて、繊細な味わいだ。
エピソード
中世修道僧がワインの品質向上に尽力し、17世紀にはこの地方の新教徒がイギリスやオランダに多数亡命した。これによりベアルンのワインは各国に広まり、輸出によって大きな発展を遂げることとなった。
また、アンリ4世の母、ジャンヌ・ダルブレがベアルンのロゼを愛飲したと伝えられている。
ベアルンの代表的なワイン
ベアルン・ロゼ ピエール/ラプラス
ベアルン 赤 39003/オリセ
ベアルン セック/ ラペイル
ベアルン ロゼ/ ラペイル
ベアルン ルージュ/ラペイル