パシュラン・デュ・ヴィック・ビル

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルワインの特徴とは

   

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルの気候・風土

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルはフランスの南西地方、スペインの国境に近いピレネー山脈の麓に位置し、アドゥール川左岸に面している。

住民600人ほどの小さな村マディランが中心にあり、ピレネー=ザトランティック県、オート=ガロンヌ県、オート=ガロンヌ県の計39村・1300haが栽培地域に指定されている。

この地方は海洋性および大陸性気候で、夏と秋は気温が高く晴天続き。春と冬には雨量が多いのが特徴だ。周囲を山に囲まれているため気温の低下が緩やかで、冬も厳しい冷え込みにはならない。ピレネー山脈からの風がブドウに強い味わいを持たせている。

土壌は粘土石灰質で小石・砂・珪土も混ざり、花崗岩も多く含んだ独特の土。斜面を利用してブドウ栽培されており、多くの樹が高樹齢である。伝統的なブドウ作りが行われる場合が多い。

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パシュラン・デュ・ヴィック・ビルのワインの特徴

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルのワインは白ワインのみ。同地域で生産される赤ワインは「マディラン」と称される。甘口と辛口があり、辛口はパシュラン・デュ・ヴィック・ビル・セックと呼ぶ。プティ・マンサン、グロ・マンサン、補助品種としてクルビュなどの品種が原料となる。

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AOC Pacherenc-du-vic-bilh du Gers” by JPS68Own work. Licensed under CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons.

特に有名なのは甘口のモワルーで、ハチミツや白桃など甘くフルーティな中に爽やかな味を感じられるのが特徴。繊細でまろやか、力強い味わいとなる。オーク樽を使用したものは5年の熟成に耐え、長寿なワインとなる。

一方、辛口は若飲みタイプで、フルーティな味わいと花の香りとのバランスが取れている。

エピソード

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルとは、この土地の方言で「古い地方(ヴィック・ビル)」「並んだ杭(パシュランク)」という意味。その昔、この地方ではブドウを杭に結び付け栽培していたことを表わしている。

パシュラン・デュ・ヴィック・ビルの代表的なワイン

パシュラン・デュ・ヴィック・ビル シャトー・ダイディ/ピエール・ラプラス
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル ドゥ クーヴァン/カプマルタン
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル プレリュード・ア・リベルナル/カーヴ・ド・クルゼイユ
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル レーヴ・ドトンヌ/シャトー・ラフィット・テストン
シャトー・モンテュス ブラン/アラン・ブリュモン
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル モワルー/ラブランシュ ラフォン

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