コート・ド・マルマンデの気候・風土
コート・ド・マルマンデはフランスの南西地方に位置し、ガロンヌ川を真ん中に挟んで両岸に広がるワイン産地だ。マルマンドを中心に27の村からなり、ぶどう畑の面積は2000ha。作家のスタンダールが「風光明媚な渓谷」と褒め称えた美しい地として有名。
ボルドーワイン産地のアントル・ドゥー・メールとは地続きで、ロット・エ・ガロンヌ県にある。同県内にはワイン産地のコート・ド・デュラ、ビュゼがある。
近年、ボルドーを含むアキテーヌ地方で開催されるワインコンクールなどで入賞するなど、注目を集めつつあるワイン産地だ。
気候は海洋性気候。降雨量が均一であり日照量も十分で、ぶどう栽培には適した気候となっている。地質はガロンヌ川の右岸は粘土質、左岸は小石と泥土が混ざる砂利質だ。
コート・ド・マルマンデのワインの特徴
コート・ド・マルマンデでは赤ワイン、白ワイン、ロゼがつくられている。生産量は7万1167hl(ヘクトリットル)で、赤ワインの割合が94%を占める。
ワインづくりに使われるぶどうの主品種は、赤・ロゼがカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー。白はソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、モーザック、ミュスカデルとなる。
基本的にはボルドーと同じ品種となるが、「アブリュウ」という地域特有の黒ブドウが使われることもある。
赤は美しいパープルを帯びた色合いで、肉付きがよくアロマが豊か。ミントやシダの芳香を持ち、しなやかでタンニンもしっかりしている。ボルドーと似た味わいではあるが、ボルドーよりも軽く飲みやすいのが特徴。飲み頃は2~5年だ。
白はやや緑がかった小麦色。フルーティで白い花の芳香を持ち、まろやかで口当たりのよい辛口となる。
ロゼは輝くピンク色で、フレッシュで軽やかな飲み口。若のみタイプだ。
“Lunch and a glass of rose” by Tristan Ferne – Flickr: Lunch and a glass of rose. Licensed under CC BY 2.0 via Wikimedia Commons.
エピソード
コート・ド・マルマンデ土着のアブリュウという品種は、「フランスから姿を消す寸前」とまでいわれている。希少価値の非常に高い高価なぶどうである。
コート・ド・マルマンデの代表的なワイン
コート・デュ・マルマンデ タップ・ド・ペルボス/カーヴ・デュ・マルマンデ
コート・デュ・マルマンデ ルージュ フェラン・プラデ/カーヴ・デュ・マルマンデ
コート・デュ・マルマン テッラ/クロ・カヴァナック
コート・デュ・マルマンデ/シャトー・ド・ボーリュー
カーヴ・デュ・マルマンデ テュク ペイロ/オリジン・マルマンデ
カーヴ・デュ・マルマンデ/ミュレ・ド・グー
フェラン・プラデ ブラン/カーヴ・デュ・マルマンデ
コート・デュ・マルマンデ クロ・バケ/エリアン・ダ・ロス
コート・デュ・マルマンデ/シャトー・ラ・バスティード