ガイヤックの気候・風土
ガイヤックはフランス南西部、トゥールーズの北東に位置している。
ガイヤックの街を左右に分けるように、街の中央にはタルン川が流れ、その両岸に沿うようにぶどう畑が広がる。
土壌は右岸と左岸で性質が異なり、左岸は砂・砂利が多いことから、濃厚で肉厚な赤ワイン用の品種を栽培する。右岸は花崗岩・石灰岩質の土壌が混ざり合うため、フレッシュで香り豊かな赤ワインと白ワイン用の品種が育てられる。
ガイヤックのワイン生産は世界的にも非常に珍しく、赤、白、ロゼ、スパークリングワインと豊富なラインアップが魅力。大西洋側と地中海の影響を受ける温暖な気候条件が、バリエーション豊かなワイン生産を可能にしている。
多種多様なワインに使われるため、栽培されるぶどう品種も幅広い。デュラス、フェル・セルヴァドゥ、モーザック、ラン・ド・レル、ミュスカデルなどが植えられている。この中でもラン・ド・レルは、世界的に見てもガイヤックでのみ生産可能とされる土着性の高い品種だ。
“Gaillacoise” by Berndt Fernow – Own work (own photography). Licensed under CC BY-SA 3.0 via Commons.
ガイヤックのワインの特徴
赤ワインはボリュームのある奥行きと力強さが印象に残る味わい。スパイスの効いたコクと切れ味がバランスよく広がる。
白ワインは甘過ぎず、フレッシュな口当たり。スパークリングのような爽やかなフィニッシュが楽しめる。
ほんのりとリンゴやイチジクのアロマが漂う甘口ワインも好評だ。
前述のとおり、赤・白共に、辛口から甘口まで幅広く生産されている。
エピソード
プロヴァンス地方に続いて長い歴史を持つガイヤック。そのワインづくりの歴史は紀元前から続いている。
紀元前6~7世紀ごろには初めてぶどう畑がつくられ、紀元前2世紀ごろに古代ローマ人によって改良されたと伝えられている。
西暦900年代の後半には、サン・ミッシェル修道院の助力により、ワインづくりはさらに発展。その後、1000年にわたって世界中の市場で楽しまれるワインの生産地へと成長を遂げていった。
“Abbaye Saint-Michel de Gaillac Cave coop?rative vue du chai n° 1 et si?ge social” by Unknown early 1900s – Scan old postcard. Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons.
ガイヤックの代表的なワイン
シャトー・ショーム・ラグランジュ ガイヤック
ヴィニュロン・ドゥ・ラバステン・ガイヤック・サンミッシェル・ドゥ