ボヌゾー

ボヌゾーワインの特徴とは

   

ロワール地方のAOCコトー・デュ・レイヨンのから独立した村名AOC。シュナン・ブラン単一品種で貴腐ワインや遅摘みワインが造られる。同じく独立したAOCカール・ド・ショームと並び、ロワールの女王的存在とも評される。

AOCカール・ド・ショームと並びAOCコトー・デュ・レイヨンから独立した村名AOCで、1951年にAOC認定を受けた。村名AOCといっても実際にはコミューン名がつけられていたり複数の村に跨っていたりすることがあるが、このAOCも実際にはコトー・デュ・レイヨンの東部にあるトゥアルセ村に位置する。レイヨン川の流れるこの村の3つの急勾配の南向き斜面にある畑が対象で、耕作面積は110ヘクタールである。
シュナン・ブラン単一品種で遅摘みや貴腐ブドウの甘口ワインが造られるが、ボヌゾーでのブドウ収穫は極めて重労働で、畑の中からもっとも熟したブドウ果実のみを選別して手作業で摘み取っている。2003年に国立の原産地統制機関によって、収穫するブドウの糖度およびワインの残糖度が引き上げられ、より高水準が課せられている。AOCボヌゾーの甘口白ワインは、同じコトー・デュ・レイヨン地区から独立した村名AOCのカール・ド・ショームのものと比較すると、よりフルボディで芳醇であるとされ、ものによっては20年以上の長期熟成も可能であるとされる。

ロワール地方では、AOCアンジュー、AOCコトー・デュ・レイヨン、AOCカール・ド・ショーム、AOCボヌゾーでシュナン・ブラン単一品種から貴腐ワインや遅摘みの甘口白ワインが造られるが、これらはフランスの甘口白ワインの中で最も素晴らしいものとも評されることもある。例えば貴腐ワインで有名なソーテルヌ地方の高級な甘口白ワインは濃厚で芳醇であるが、しばしば重くオーク香に満ちたものとなりがちであるともされる一方、ロワール地方のものは非常に繊細かつ華やかで、絶妙なニュアンスのワインになり得るともされる。ロワールで使われるシュナン・ブランは味が強い品種で、若いうちは貴腐ワインや遅摘みワインの甘味が品種特有の強い酸とうまく統合され果実味が豊かに感じられる。また、10年から20年の熟成を経ることで甘味と果実味がミネラルに満ちた味わいに溶け込み、一体感のあるなめらかな味わいのワインとなる。

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