コーネロの気候・風土
コーネロ山は、イタリア中部にあるマルケ州の州都・アンコーナの南方にあり、アドリア海沿岸に位置している。
コーネロ山後部の丘陵地帯を中心として、「コーネロ」と呼ばれるDOCGワインがつくられている。主要なぶどう品種であるモンテプルチアーノは、コーネロ山周辺が栽培の最北地域にあたる。
大陸性気候で夏は温暖だが、アドリア海に近い地理にあるため、常に海からの微風が吹き、快適な気候になる。また、海岸に沿うように丘陵が連なり、冬には冷たい東風を防ぐことができる。
粘土質、石灰質の土壌は、ミネラルを豊富に含み水はけが良い。モンテプルチアーノ種の栽培に適したテロワールを備えている。
コーネロのワインの特徴
コーネロは、モンテプルチアーノ種を85%以上使用し、残る15%未満にはサン・ジョベーゼ種をブレンドしてつくられる辛口の赤ワイン。アルコール度数は12.5%以上で、24カ月以上の長期熟成が必要とされている。
もともとはDOCワイン「ロッソ・コーネロ」を長期熟成させたリゼルヴァがDOCGに昇格したものだ。長期熟成を要しないロッソ・コーネロは現在もつくられている。
色調は落ち着きのあるルビーレッドで、はっきりとした果実の香りを持つ。フルーティーで甘みとやわらかな渋みが調和した濃厚な味わいだ。
赤身の肉料理やジビエ料理、また、よく熟成したチーズやブルーチーズなどと合わせて楽しむことができる。
エピソード
コーネロ山周辺は、紀元前3世紀、カルタゴの将軍ハンニバルが戦場で病気の馬にワインを飲ませたというエピソードが残る古くからあるワイン産地。また、古代ローマの将軍プリニウスは、「アドリア海沿岸でつくられたワインの中でも、最も優れている」と記したともいわれる。
DOC法が制定されてから数年後の1967年に、「ロッソ・コーネロ」としてDOCワインに認定された。その後、2004年に「ロッソ・コーネロ・リゼルヴァ」がDOCGに昇格し、コーネロと呼ばれるようになった。
コーネロの代表的なワイン
クマロ コーネロ リゼルヴァ/ウマニ ロンキ
ピアンカルダ ロッソ・コーネロ/ガロフォリ
トライアーノ・ロッソ・コーネロ/シルヴァーノ・ストロロゴ
サンロレンツォ ロッソ・コーネロ/ウマニ・ロンキ
チメリオ ロッソ・コーネロ リゼルヴァ/モンカロ