キャンティの気候・風土
イタリアのワインと聞いてキャンティの名を挙げる人は多い。トスカーナ州キャンティ地方は「キアンティ」とも呼ばれ、イタリア最大のD.O.C.G.ワインの産地である。
シエナからフィレンツェに続くクラシコ地域を中心に生産地域が広がるキャンティは、さらに7つの指定地域に分けられ、キャンティ・ルフィーナやキャンティ・モンタルバーノのようにラベルに追記される。
日当たりの良い広大な丘陵地域では、ポピュラーな品種のサンジョヴェーゼが栽培されている。
キャンティのワインの特徴
キャンティD.O.C.G.はサンジョヴェーゼ種を75~100%使用し、その他品種は10~15%までブレンドできる。深く濃いルビー色とフルーティーな酸味が特徴の軽めの赤ワインだが、生産量の多さから品質にバラつきも見られる。
そのフレーバーはしばしば、オレガノやバルサミコ、スライスしたサラミ、葉巻などに例えられる。トマトベースにハーブを効かせた肉料理やピザ、オリーブオイルとの相性も良い。
熟成期間の短い若飲みに向くタイプと、スペリオーレやリゼルヴァなど長期熟成のものがある。
エピソード
1960年代から手軽に飲めるワインとして、世界中のイタリアンレストランで飲まれてきたキャンティ。これは、そのフレーバー自体に「イタリアの味」を感じる人が多いことを示している。大量生産により「キャンティ=安ワイン」のイメージが強い時期もあったが、生産者の努力が実を結び、現在は品質が向上する傾向にある。
以前は、藁で編まれた「わらづと」に包まれた特徴的な丸い瓶で販売されていたが、近年では減少している。トスカーナ産の葉巻はキャンティと並ぶこの地域の名産品として、世界的にその名を知られている。
キャンティの代表的なワイン
キャンティ ルフィナ ヴィッラ ディ ヴィエトリチェ リゼルヴァ
キャンティ コッリ セネージ アジエンダ アグリコーラ ノットーラ
キャンティ コッリ セネージ チェザーニ
キャンティ フィアスコ チェッキ
キャンティ モンロッソ カステッロ ディ モンサント