ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルの気候・風土
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルは、ヴァッレ・ダオスタ地方の標高1,200mに位置するワインの産地だ。ヴァッレ・ダオスタD.O.Cのサブゾーンの1つで、ヨーロッパで最も高い場所にあることでも知られる。
古くから「アルプスの山にワインの味わいが委ねられている」と言われるほど、厳しい自然環境でぶどうが栽培されている。モンブランに降った雪が山頂に残ると、雪に反射した日差しまでもが、ぶどうの生育に大きく影響を与える。
気候は1年を通して冷涼で、完熟のぶどうだけを原料にすると、1haの畑から約3000本のワインしか生産できないほど、栽培条件は厳しい。
しかし、標高が高いとカビや病原菌の発生が少なくなるため、この点はワインづくりにとって好条件となる。
こうした環境から、日照条件が悪くても生き生きと育ち、発芽から完熟までが早いブラン・ド・モルジェ(プリエ・ブラン)種が主として栽培されている。
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルのワインの特徴
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルでは、主に白ワインが生産されている。
透明感、輝きのある美しい麦わら色、ミネラル感があり、それでいて深く繊細な味わい。なめらかな酸味は食前酒や魚介、野菜料理と相性が良い。
純粋な花の香りがし、飲む人を魅了するスパークリングワインも、伝統的なシャンパン生産方法で作られている。
エピソード
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルのワインは、ルイジ・ヴェロネッリ(イタリアのワイン評価誌『ヴェロネッリ』の著者。イタリアで初めてワインをテイスティングで評価し、絶大な信頼を得た)が「イタリアのワイン文化で最も無くなって欲しくないワイン」と称したほどの絶品だ。
自然条件の厳しさが原因でワインの生産者は年々減っており、1983年にはワイン作りの文化を守るために、カーヴ・デュ・ヴァン・ブラン・ド・モルジェ協同組合が設立された。
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サルの代表的なワイン
ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サル
カーヴ・デュ・ヴァン・ブラン・ド・モルジェ