富良野市

富良野でつくられるワインの特徴とは

   

ワイン用ブドウの一大産地の北海道の中でも、富良野は盆地特有の寒暖差を利用して高品質のブドウを作っている。
「ふらのワイン」は、国産ワインコンクールで過去10点以上が入賞し、’09年は白ワイン部門で銀賞を受賞した。

「ふらのワイン」は北海道の中心、富良野市にある自治体が経営するワイナリーである。
周辺は山々に囲まれ、内陸性気候のため日中と朝晩の温度差が大きく、日照時間も多いことから、色付きの濃い糖度の高いぶどうが収穫される。そのブドウから造られる「ふらのワイン」は、しっかりとしたボディ感のある味わいが特徴。

富良野

富良野市が農業振興を目的としワイン用原料ぶどうの栽培に取り組んだ理由のひとつに、富良野地方の気候風土と土地条件がワインの本場北欧に似て、原料ぶどうの育成に適することが挙げられる。また、品種選定や品種改良、栽培技術の導入を重ねることで完熟した良質なブドウを育て、優れた醸造技術、細心の品質管理によって支えられている。

ふらのワインハウス

昭和47年富良野市ぶどう果樹研究所が開設され、ワイン醸造の研究者で、池田町ブドウ酒研究所の初代所長を務め『十勝ワイン』の開発にも尽力した岩野貞雄氏を招き、山葡萄と生食用のキャベルアリー、デラウエアを使っての醸造試験が行われた。
傾斜地と石礫地の有効利用を図るためのブドウ栽培も農家に奨励され、ヨーロッパ系とアメリカ系の品種を掛け合わせたセイベル品種の中から、富良野の風土にあった品種を選定し、栽培技術を高めていった。

また、通常の棚方式でぶどうを栽培する方式を取らず、垣根に這わす方式を採用した。この方式だと太陽光線を吸収する葉の面積が棚方式より増加するという利点がある。こうして富良野に合った栽培技術を確立したことが、良いワイン作りにつながったのである。

Furano Winery

新製品の発売も相次ぎ、山葡萄を原料にした赤、ドイツ系の品種「ミュラー・トゥルガウ」とした甘口の白、オーストリア系品種「ツヴァイゲルトレーベ」を原料とした赤ワインと、世界各国の品種でワイン作りが進められた。
さらに、富良野に自生している山葡萄とセイベル種を交配させた新品種「ふらの2号」を使った新製品も発売された。この新品種は、非常に寒さと病気に強いという山葡萄の特性を持つ。
また、新たにカベルネとメルローという品種の栽培にも着手し、商品化を目指して試験醸造が行われている。

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