冷涼な岩手県の気候風土から生まれるミネラル感、活き活きとしたクリアな酸味が岩手ワインの魅力である。
山葡萄やリースリング・リオン等、岩手ならではのブドウ品種はもちろん、ブルーベリーやリンゴの果実酒も造られている。
岩手県の中央を南北に流れる北上川の東部は、国内でも非常に珍しい古生代地質があることでも有名。北上川の東部の流域に、岩手県の5つのワイナリーのうち4つが位置しており、この地質からミネラル感のある岩手ワインが生まれるとされている。
岩手県は本州の北東部北緯38~40度に位置し、山梨県の銘醸地である勝沼と比べると日照量や有効積算温度はかなり低い。この冷涼な気候から、活き活きとしたクリアな酸味が生まれる。
岩手県のワイナリーには、岩手郡葛巻町のくずまきワイン、岩手郡磐手町の岩手缶詰、盛岡市の五枚橋ワイナリー、紫波郡紫波町の自園自醸ワイン紫波、花巻市のエーデルワインの、5つがある。
県内で最も歴史あるエーデルワインの創業は1962年で、既に50年近くの歴史があるが、これまではほぼ地元で消費されていた。
2010年2月に発刊されたワイン雑誌「ワイナート」ではワイン評論家の田中克幸氏が、2009年に飲んだベスト・ワインに自園自醸ワイン紫波(当時は紫波自醸ワイン)の「紫波物語・無ろ過生詰めリースリング2008」を選んだ。1本10万円もするロマネサンヴィヴァン2007(ドメーヌ・ルロワ)を第2位におさえての第1位に、岩手のワインに注目が集まった。