カサブランカ・バレーの気候・風土
カサブランカ・バレーは、チリ・アコンカグア地方に位置するDO。サンティアゴとビーニャ・デル・マルをつなぐ高速道路の両側、丘陵地を覆うように広がるカサブランカ・バレーは、現在チリで最も勢いがある産地のひとつだ。
この地は山脈が途切れ、河口から冷涼な海風が流れ込む。また、霧のおかげもあり気温が涼しい。泥土を含んだ砂質の土壌と、山脈の麓に広がる花崗岩質が良質の質感を生み出す。
森と牧場ばかりであったこの地にぶどう畑が開墾されたのは、つい最近の1980年代のこと。だが、白ぶどうの栽培に適した気候であるとの情報が広がり、1990年代に多くのワイナリーが進出した。
カサブランカ・バレーのワインの特徴
カサブランカ・バレーの冷涼な気候を生かして栽培されたシャルドネやソーヴィニヨン・ブランは、キリッと端正な酸味と果実味のバランスが良好だ。また、赤ワイン用のぶどう品種ではピノ・ノワールの生産量が多い。
シャルドネからつくる白ワインは、トロピカルフルーツや白桃、パイナップルなどの風味に香ばしさが組み合わさり、ふくよかな奥行きが感じられる。
ピノ・ノワールを使って醸造する赤ワインは、フレッシュさとエレガントさを兼ね備え、ブルゴーニュワインを彷彿とさせる。
代表的な生産者
カサブランカ・バレーの生産者のうち、各方面の評価が高い生産者として、カサス・デル・ボスケ、モンテス・アルファ、エミリアーナ・ヴィンヤーズ、コノ・スル、ロス・ヴァスコス、テラ・ノーブレ、ヴァルディヴィエソ、カサ・ラポストール、エチヴェリア、ヴェッラモンテ、コンチャ・イ・トロ、エラスリスなどが挙げられる。
カリフォルニアやフランスの名門ワイナリーが現地のワイナリーと組んで醸造するワインが多い。ほとんどが手頃な価格・値段だが、一部5000円を超えるものもある。
エピソード
牧場ばかりであったカサブランカ・バレーでぶどうを栽培し始めたのは、チリの大牧場主であるモランデだ。彼は、カリフォルニアに広がる牧草地とワインヤードに感銘を受け、この地にぶどう園を作った。
そのモランデが設立したワイナリーが、カサス・デル・ボスケ。比較的新しい産地でもあるカサブランカ・バレーの知名度が急激に上がったのは、首都から車で1時間という立地の良さもある。
カサブランカ・バレーの代表的なワイン
ベラモンテ・メルロ・プリムス
エラスリス・ピノ・ノワール・ワイルド・ファーメント
エラスリス・ソーヴィニョン・ブラン・シングル・ヴィンヤード
ベラモンテ・シャルドネ
エラスリス・シャルドネ・ワイルド・ファーメント