アレリャの気候・風土
アレリャ(アレーリャとも)は、スペイン北東部・カタルーニャ州のワイン生産地だ。バルセロナから15kmほど北東、地中海沿いにあるアレリャ村周辺の地域となる。
土壌は花崗岩もしくは石灰質、砂質。気候は地中海性気候に属するが、地域によってミクロクリマ(微気候)が異なる。
栽培されるぶどうは、白ぶどうではガルナチャ・ブランカ、マカベオ、チャレロ。なお、この地域ではチャレロはパンサ・ブランカというシノニム(別名)で呼ばれる。その他、シャルドネなどの外来品種も栽培される。
黒ぶどうではテンプラニーリョ、マタロ、ガルナチャ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー。同じく、テンプラニーリョはウル・デ・リェブレ(ウサギの目)というシノニムで呼ばれる。
アレリャのワインの特徴
主にパンサ・ブランカ種による辛口の白ワインがつくられ、このワインだけでアレリャワイン全体の生産量のうち4割を占める。ナシやリンゴを思わせる、果実味豊かでフルーティなワインとなる。それ以外にはガルナチャ・ブランカのほか、シャルドネなど外来品種による白ワインもある。
一方、赤ワインはテンプラリーニョやガルナチャなどのスペイン品種に、シラー、メルローなどフランス品種を混醸したものがメイン。こうしたボルドースタイルの混醸赤ワインはカタルーニャ全域でみられる。
また、これ以外にも発泡ワイン・カヴァが広く生産されている。カヴァはシャンパーニュと同様に瓶内2次発酵でつくられるが、比較的安価で手に入るため広く親しまれる。アレリャにおける有力なカヴァの生産者としては、アルタ・アレーリャが挙げられる。
エピソード
アレリャにおけるワイン製造は、非常に長い歴史を持つ。西暦77年に大プリニウスが記した「博物誌」にも記録があるほどだ。
しかし、19世紀に大流行した害虫フィロキセラにより、ワイン生産地としては絶滅の危機に瀕した。立ち直った現在では、白・赤ワインとともに、カヴァに活路を見出しつつある。
アレリャの代表的なワイン
パンサ・ブランカ / マルケス・デ・アレーリャ
パルシェット / マルケス・デ・アレーリャ
シャルドネ・アリエー / マルケス・デ・アレーリャ
プリヴァット・ブルット・レセルヴァ / アルタ・アレーリャ
プリヴァット・シャルドネ・ブルット・ナトゥーレ / アルタ・アレーリャ
ミルジン・ブルット・ナトゥーレ・グラン・レセルヴァ / アルタ・アレーリャ