コステルス・デル・セグレの気候・風土
コステルス・デル・セグレは、スペイン北東部・カタルーニャ州のワイン生産地だ。バルセロナの東、内陸部を流れるセグレ川の流域が該当する。1986年にDO指定された。
生産地は、7つのサブゾーンに分かれている。北からパラス・ジュサ、アルテサ・デ・セグレ、セグリア、ライマット、コーブ川沿いのヴァルフォゴナ・デ・リウコーブ、ガリゲス、ウルヘルとなる。特に、ライマットなど大きな町近辺での生産量が多い。
ぶどう畑の標高は200~300m程度。土壌は砂質、もしくは石灰質。気候は地域ごとに異なるが、夏と冬の気温差が激しい地域が多い。
栽培されるぶどうは、黒ぶどうではガルナチャ、ウル・デ・リェブレ (テンプラニーリョのシノニム(別名)。「ウサギの目」という意味)。その他、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどのフランス品種も栽培される。白ぶどうではマカベオ、パレリャーダなど。
コステルス・デル・セグレのワインの特徴
赤ワインはウル・デ・リェブレとメルローなどのフランス品種との混醸、もしくは単一品種によるもの、白ワインはマカベオやソーヴィニヨン・ブランによるものが多い。
カタルーニャの他の生産地との違いとして、フランス品種をはじめとした、多種多様なぶどうを生産していることが挙げられる。有力な生産地としてDOCaプリオラートが挙げられるが、ここは従来栽培されていたぶどう(ガルナチャなど)の良さを引き出して評価を得た。これに対し、コルテルス・デル・セグレは地域性を活かし、多様な外来品種を栽培するスタイルを採用している。
高い評価を得ている生産者に、カステル・デル・レメイやトーマス・クシネがいる。
エピソード
かつて10万haもの広大な敷地を誇っていたコルテルス・デル・セグレだが、19世紀に大発生した害虫フィロキセラにより甚大な被害を受けた。現存する7つの地域は辛うじて生き残った地域だ。残りの地域は、現在はオリーブ畑として利用されている。
近年、スペインにおける技術革新の成果が投入され、再び注目を集めつつある。
コステルス・デル・セグレの代表的なワイン
リェブレ / トーマス・クシネ
ビロセル / トーマス・クシネ
ゴティム・ブル / カステル・デル・レメイ
ブラン・プラネル / カステル・デル・レメイ