発泡ワインに対して、発泡していない普通のワインを指すときの呼称。別称スティルワイン、テーブルワイン(テーブルワインという用語には、日常消費用に造られたワインという意味もある)。
非発泡ワインにもガスは含まれるが、その量が少ないため開栓しても発泡しない。開栓せずに長い期間放置した場合には発泡することがあるが、これは発泡ワインには含まず品質の劣化とされる。
伝統的な方法では、ブドウを搾汁し樽や甕に入れ、果皮が持つ天然酵母と果汁のブドウ糖によりアルコール発酵させる。このアルコール発酵を一次発酵という。この一次発酵までの工程は、概ね非発泡ワインも発泡ワインも、酒精強化ワインも同様である。
こうしたことからも、非発泡ワインがあらゆるワインの基本形であると言える。
発酵に際して二酸化炭素ガスが発生するが、非発泡ワインの製造工程においては大気中に逃げてしまうので製品になるときにはほぼ残らない。
非発泡ワインは、この一次発酵の後に熟成させる。オーク材の樽で熟成させると木の香りがワインに影響し芳香が高まるといわれているが、品質保持が難しいため、ステンレスやコンクリートの樽が用いられることもある。最終的に、樽内に溜まった澱を取り除く澱引きを行い、瓶に詰められる。
非発泡ワインの瓶に対して発泡ワインの瓶は、瓶内の二酸化炭素圧に耐え得るように頑丈に作られている。発泡ワインの瓶が非発泡ワインの瓶に対して大振りなものが多いのはこのためである。
非発泡ワインは近年ではペットボトルや紙パック、缶に詰められることもある。