意味/品種
カルメネールとは、フランスの南西部のボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。歴史の深い品種だが、現在はボルドーでは殆ど見られず、現在は主にイタリア北部とチリで栽培されている。
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特徴
1850年代にヨーロッパを襲ったフィロキセラによって、ヨーロッパでは150年以上前に絶滅したとされていたが1994年にチリで再発見され話題を呼んだ。これはボルドーの葡萄の樹が全滅する前に、チリが輸入した苗木が育っていたためである。
現在ではチリでは一般的だが、イタリア、チリ共に長い間メルローと混同されていたため、カルメネールと認知されるようになったのは最近である。メルロー種とは類似点も多く、系統が同じであるかもしれないということが遺伝子調査で分かっている。
味わい/香り
未熟のカルメネール(Carmenere)は緑色のトマトの葉のような風味を帯びるから、それを避けるために完熟させる必要があるが、そうして生まれたワインは常に深い色調を帯びる。この品種は深い赤色が特徴的で、赤い果実の香りの中にスパイスやベリー系の香りがある。
カベルネ・ソーヴィニヨンと比較するとタンニンは柔らかく、ミディアムボディのワインとなる。一般的にカルメネールは、他のボルドー種とブレンドする時その持ち味を発揮すると言われているが、ワイナリーによっては単一品種のものを造っており、最適に熟した果実からはスモーキーなスパイス香がチェリーのようなフルーティな香りに重なり、やや紫を帯びた美しい赤色のワインとなる。
味わいは、他にチョコレート、タバコ、なめし革の香りにも例えられる。この品種から造られるワインは若いうちに飲むのが適しているとされる。
主な産地
この品種は元来ボルドー地方のメドック地区において栽培されており、その頃からプチ・ヴェルドと同様にブレンド目的で栽培されていた。
ボルドー地区においては歴史的に、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、マルベック、プチ・ヴェルドと並びボルドーの6大品種に数えられる。ボルドー地方では現在は稀な品種で、現在ではチリが栽培国として有名である。
チリでは特にカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドでこの品種の可能性が最大限に引き出されており、個性的ですばらしいカルメネール単一品種のワインも生みだされている。イタリアでの栽培も盛んで、北部のヴェネト州やフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア自治州においても多く栽培されている。