ガメ

ガメイとは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

ガメイの意味/品種

ガメイ(gamay)とは主にフランス東部ブルゴーニュ地方の南部で栽培される赤ワイン用ブドウ品種。最南端のボージョレー地区で多く栽培されており、ボージョレーを含むブルゴーニュ南部では主にガメイの単一品種で赤ワインが造られている。ボジョレー・ヌーボーの原料として有名だ。

正式名称は「ガメイ・ノワール・ジュ・ブラン」でその意味は「白い果汁を持った黒い果皮のガメイ」であるとされ、赤い果肉の別ブドウ品種「ガメイ・タンテュリエ」と区別されている。歴史は古く、原種はブルゴーニュ地方ボーヌのガメイ村で14世紀半ばには栽培されていたとされる。

Oak Bay, Gamay Noir ('05)

ガメイの味わい/香り

大粒で果汁が白いためワインの色調は明るい。ライトボディタンニンはやや乏しいが味が豊かで、フランボワーズやイチゴなどフレッシュで爽やかな赤い果実の風味や、ライラックやスミレの香りが特徴的。日照量に恵まれた年は濃縮したサクランボなどの甘さが加わった果実味が引き立ち、余韻に残る甘草や黒糖などの甘く苦い風味も特徴である。中には10年程度の熟成に耐えるものもあるが、比較的若いうちが美味しいとされる。

red wine

ガメイの特徴

ボージョレー・ヌーボーは、マセラシオン・カルボニックという特殊な製法によってブドウに含まれるリンゴ酸が分解されるので、ガメイ特有の強い酸味は和らげられ、渋味や苦味が少なくなる。新酒のボージョレー・ヌーヴォーの知名度が高いが、限られた10の村で「村名ボージョレー」と呼ばれるクリュ・ボージョレーも造られている。これは複雑さや深みなどがボージョレー・ヌーボーを上回り、通常は早飲みのガメイにあって長期熟成のポテンシャルを持ち、他のAOCブルゴーニュに比類がないとも言われる。

ガメイの主な産地

世界で生産されているガメイのうち60%が広大なボージョレー地区で栽培されており、その痩せた酸性の花崗岩質土壌が、フルーティでフレッシュなワインを生み出すとされる。またフランス西部のロワール地方でも栽培している。北部側の気候がこの品種には適しており、遅霜に遭っても回復が早い特徴があると言われ、収穫量が多い豊産であることでも知られる。

Beaujolais Nouveau Party

その他の産地としてはフランス国内のロワール地方があり、カベルネ・フランマルベックとブレンドされている。これらブレンドワインはクリュ・ボージョレーと似た味わいがありながらカベルネ・フランのスパイシーな香りが加わっている。他にラングドック・ルーション地方、カナダ、オーストラリア、東欧、トルコなどの一部でも栽培されているが、それらの生産量は少ない。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で