甲州

甲州とは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

意味/品種

日本の山梨県勝沼地域発祥の、日本固有の白ワイン用ブドウ品種。生食用としても栽培される兼用種である。シルクロードを渡ってきたとされる古い品種であるとされるが確かな由来は不明である。日本食に合うすっきりとした白ワインが造られる。

この品種の由来については不明である。一説には1186年山梨県勝沼地域の上岩崎で発見された珍しい蔓から甘い果実がなったという伝承がある。また一説には、奈良時代の僧侶行基が勝沼地域に大善寺を建立しようとした際にブドウの木が発見されたという伝承もある。いずれにしても、本来ヨーロッパ原産のブドウがそれほど古くから勝沼にあるのかなど謎の部分が多い。

Koshu Grapes.jpg
By Aw1805Own work, CC BY-SA 4.0, Link

特徴

中国原産の竜眼(ロンガン)の変種という説もあったがDNA鑑定により否定されている。現在行われているブドウ棚による栽培法は、江戸時代初期の医師である永田徳本によって考案されたと言われている。日本で最初にワインが造られたのは1871年で、甲州種から造られたといわれている。開発当初は甘口白ワインに使用されていたが、近年では本格的な辛口白ワインが造られ始め、評価を得ている。

中央葡萄酒 GRACE WINE グリド甲州

味わい/香り

果皮は淡い藤色または明るいえび茶色で、「灰色ブドウ」と呼ばれる色調である。甘さはあるが、あっさりとしたフルーティで柑橘や桃の芳香があり、味も弱く癖が少なくすっきりとしているのがこの品種の特徴である。
カリフォルニア大学の分析により、デラウェアやコンコードなどのアメリカ系ではなくヨーロッパ系(ヴィニフィエラ)品種で、竜眼と同様に東洋系品種のグループに属していることが判明したが、他の地域では同種が見られない日本固有の品種である。

「甲州」

主な産地

生食用としても山梨県を中心に出回っているが、ヨーロッパ式の栽培法や醸造法により甲州ワインの品質を向上させる試みが続けられている。

2004年から始まった「甲州ワインプロジェクト」ではフランスの醸造専門家ドゥニ・デュブルデューの指導により2004年に白ワイン「KOSHU」が完成し、日本料理に合うワインとしてロバート・パーカーから高い評価を得た。アミノ酸などのうまみを引き出すため発酵後に引きせず、酵母と一緒にワインを翌年の春まで半年程度寝かせる、シュール・リー製法で醸造されることもある。

山梨県においてその栽培が最も盛んで、日本で栽培される総量の95%が生産される。日本以外では、唯一ドイツのラインガウに導入されている。

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