タナ

タナとは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

意味/品種

タナ(Tannat)とは、フランス南西地方の固有品種で、AOCマディランで栽培されている赤ワイン用ブドウ品種。上質なものはフルボディの長熟ワインになる。
現在はウルグアイにおいて国を代表する傑出したブドウが作られている。

Garzon Tannat

特徴

タナは通常ピレネー山脈に近いフランスのバスク・ピレネー地方で栽培されている。この品種は丈夫で収量も多い。この品種から造られるワインは、タンニンが強いことで知られ、他の品種と混ぜてバランスをよくすることが多い。AOCマディランの赤ワインはタナを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランをブレンドして造られる。

2006 Domaine Labranche-Laffont Madiran

味わい/香り

フランスで栽培されているタナ種は、ラズベリーの香りやドライアプリコットやアメリカンチェリーなどのよく熟した果実香を持ち、力強いタンニンと味の豊かな味わいが特徴的で長期熟成に向く。非常に色が濃く、アルコール度も高めのコクのあるワインとなる。

マディランと同じくバスク・ピレネー地方のAOCイルーレギで造られるロゼワインは果皮の抽出時間を抑えることでタンニンを弱くしている。AOCベアルンにおいては赤とロゼのいずれとも、タナが60%以上ブレンドされている。フランスにおいては、この品種特有のタンニンの粗さを弱めるための克服するための試行錯誤が、結果的にマイクロオキシジェネーション(酸素注入)というワイン醸造技術の向上に繋がった。なおこの品種は、フランス南西部で造られる銘酒のブランデーであるアルマニャックの原料としても栽培されている。

AOC béarn rosé médaillés.JPG
By JPS68Own work, CC BY-SA 4.0, Link

主な産地

ニューワールドではウルグアイで色の濃いタンニンの豊かな個性を際立たせている。ウルグアイにはバスク人入植者がこの品種を持ち込んだとされている。ウルグアイのタナで造られるワインはフランスのマディランで造られるものと比較すると、ブラックベリーのフルーティな香りをもち、よりライトボディでタンニンが少なく、柔らかで上品なワインである。

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タナはウルグアイからアルゼンチンへもたらされた。その後、栽培地は世界に広がり、オーストラリア、ブラジル、ペルー、ボリビアで栽培されている他、イタリアのペルージャ地方でブレンドワイン用に栽培されている。アメリカではメリーランド州とバージニア州において実験的に栽培されており、カリフォルニア州では21世紀に入ってから栽培が劇的に増えている。

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