ピノ・ブラン

ピノ・ブランとは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

意味/品種

ピノ・ブラン(Pinot Blanc)とは、フランス北東部のアルザス地方の発祥といわれる白ワイン用ブドウ品種。ピノ・ノワールの突然変異種のひとつである。アルザスやイタリアでは発泡ワインの原料として知られ、イタリアではピノ・ブランコと呼ばれる。

Niederbronn les bains

特徴

ピノ・ノワールは遺伝子的に不安定で、数多くのピノの変異種が存在する。中には木全体は黒ブドウで一枝だけ白ブドウがなったりすることがあるなど、元は黒ブドウでもピノ・ブランやピノ・グリなどのピノ種の白ブドウもある。ピノ・ブランは、白い花を思わせるフルーティな香りが特徴で、白いリンゴやハーブ、柑橘系のさわやかな香りと、強い酸味、適度な苦みなどがあり、かなりコクのあるワインになる。

主な産地

発祥地のアルザス地方では同じピノ種のひとつで現地の言葉で「真のピノ種」と呼ばれるクルヴネール種やオーセロワ種とブレンドされ、アルザス特有の風味を出している。アルザス地方では作付面積がこの10年で倍増している主用品種で、セパージュワイン(品種表示ワイン)のひとつとして多く作られている。特級銘柄でこそないが評価は非常に高く、一般にリースリングの下に位置づけられているが、リースリングを上回る質のものも少なくない。古くからブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方でも栽培されており、シャンパーニュワインにブレンドが認められている品種の一つである。いずれの地方でも栽培量はアルザス程には多くない。

Riversdale Estate Vineyard - vineyard panorama

アルザスではこの品種のスティルワインも造られているが、スパークリングワインがよく知られている。アルザス・ヴァン・ムスー(アルザス産の発泡ワイン)の原料ブドウは、シルヴァーナーやシャスラにとって代わりつつある。中でも、瓶内二次発酵の醸造方法のシャンパーニュ法を使って造られるクレマン・ダルザスというスパークリングワインにも、この品種が主原料として使われることが多い。

ドイツではヴァイサーブルグンダーまたはヴァイスブルグンダーと呼ばれ、辛口に作られることが多い。イタリアやスペインではピノ・ビアンコと呼ばれ、スティルワインよりスパークリングワインに作られる方が多い。イタリア北東部でピノ・ビアンコとして広く栽培され主要な品種となっている。

他にもハンガリー、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルク、チェコ、スロヴァキア、クロアチア、セルビアなどでフルボディのワインが造られている。アメリカでは主にカリフォルニアで栽培されている。

ピノ・ブランを使ったおすすめワイン

・ピノ・ブラン/ヒューゲル・エ・フィス
 アルザスの有名生産者、ヒューゲルのつくる正統派ピノ・ブランワイン。どのような料理にも合わせやすくピノ・ブランの特徴も分かりやすい。

・アルザス ピノ・ブラン/ポール・ジャングランジェ
 自然派で評判の良いつくり手、ポール・ジャングランジェ。ピュアできらきらとした魅力を放つ果実味が心地よいワイン。

・ピノ・ブラン/トリンバック
 アルザスの名門トリンバック家によるピノ・ブランはオーセロワ種もブレンド。3ツ星レストランにも採用される上質の味わいは、万人に愛される。

・クレマン・ダルザス NV/ドメーヌ・リーフレ
 ピノ・ブランといえば、スティルワインはもとより発泡ワインに使われることも多い。こちらはクレマン・ダルザスの中でも、多くのレストランで採用される人気のワイン。

・ブルゴーニュ ピノ・ブラン/アンリ・グージュ
 ブルゴーニュには珍しいピノ・ブランを使用した白ワイン。つくり手はニュイ・サン・ジョルジュの名門ということもあり、知る人ぞ知る隠れた人気を誇る。

・ブルゴーニュ・ブラン/ジョセフ・ロティ
 ACブルゴーニュといえばシャルドネだが、ピノ・ブランの使用も認められる。こちらはピノ・ブランを100%使用したACブルゴーニュ。非常にコストパフォーマンスの高い万能ワインだ。

・リューディ・ラ・ボロレ/ローズ・ド・ジャンヌ
 ピノ・ブラン100%のシャンパーニュは珍しいが、その中でも頂点に君臨するのがこちら。愛好家向けの個性的な1本と言える。

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