テンプラニーリョの意味/品種
テンプラニーリョ(Tempranillo)とは、スペイン北部のリオハ地方および隣接するナバーラ地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。
現在ではスペイン全土で栽培されており、中でもリオハが有名で、リオハワインに多く使われる。
テンプラニーリョの主な産地
この種はスペイン全土で栽培されているが、地域によって呼び名が異なり、ラ・マンチャ地方ではセンシベル、カスティーリャ・イ・レオン地方ではティント・フィノやティント・デル・パイス、カタルーニャ地方ではウル・デ・リェブレなどと呼ばれている。
テンプラニーリョは「早熟」という意味で、収穫は9月中旬頃から行われる。高地であるリオハ地区や冷涼なリベラ・デル・デュエロ地区でもよく育つ。
この種はフェニキア人の入植時からイベリア半島で栽培されていたとされる。その後のローマ人の記述によるとスペイン全土でワイン用ブドウが栽培されていたことが分かっているが、テンプラニーリョの品種名は多くは記述されていない。
17世紀、スペインによる新大陸の植民地化の際に、この品種がアメリカ大陸に持ち込まれた可能性は高く、またアルゼンチンに伝わる品種もテンプラニーリョと似た味わいがある。
栽培地は世界中に広がっており、ヨーロッパではポルトガルで栽培され、ポートワインのブレンドに使われている。それ以外ではカリフォルニアやワシントン、カナダ、メキシコ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコなどで栽培されている。
テンプラニーリョの特徴
この品種から造られるワインの色は深い赤で、紫色を帯びたガーネット色である。味わいはフルボディのものが多く、繊細で香りが良く、比較的高い酸味が感じられる。タンニンは少なく、アルコールはやや高めである。
伝統的な古樽による長い熟成を経たものと、近年多くなってきた瓶熟成のものとで熟成方法が分かれるが、それぞれに色や香りの個性が全く異なる。
テンプラニーリョの味わい/香り
この品種はカベルネ・ソーヴィニヨンなどに比べると香りの強さがさほど強くないため、オーク樽での発酵ではオークの香りを取り込み、飲み頃となる出荷時には、中国茶、なめし革、森の下草、湿った土の香りがたつ。瓶内発酵のものは、華やかな香りが増し、ブルーベリー、ブラックベリー、黒い果皮の果実、タバコ、シナモン、などの香りが立つ。
いずれにしてもその味わいはフルボディのものが多く、繊細で香りが良く、比較的高い酸味が感じられる。