黄金色のラベルとキャプシールを付けたシャトー・ラフォン・ロシェ2014年のボトル
ワイナリー

シャトー・ラフォン・ロシェ

シャトー・ラフォン・ロシェ(Château Lafon-Rochet)は、フランス・ボルドー地方サン・テステフを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ラフォン・ロシェの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

黄金色のラベルとキャプシールを付けたシャトー・ラフォン・ロシェ2014年のボトル
黄金色のラベルが印象的なシャトー・ラフォン・ロシェ2014年。2000年に黄金色へ塗り替えたシャルトリューズと同じ色を、ボトルの顔にも受け継いでいます(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・ラフォン・ロシェとは

産地とスタイル

シャトー・ラフォン・ロシェは、フランス・ボルドー地方サン・テステフの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

サン・テステフの航空写真にシャトー・ラフォン・ロシェの区画と土壌型を色分けした地図
ラフォン・ロシェの区画を深い砂礫、砂礫上の粘土、粘土石灰質などに色分けした土壌図。二つの丘状地と土壌差を読み分けて品種を配置します(画像: Chassin Sarah / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

評価される理由

シャトー・ラフォン・ロシェは、メドック北部のサン・テステフにある1855年格付け第4級シャトーです。45ヘクタールの畑は二つの丘状地に広がり、深い砂礫と粘土を伴う砂礫、粘土石灰質という異なる地質を持ちます。砂礫はカベルネ・ソーヴィニヨンに自然な排水と蓄熱を与え、粘土は乾燥時にも水分を保って力強さと持続する清涼感を支えます。現在の植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド1%。平均樹齢は38年で、80年を超える区画も残ります。気候変動への対応として晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランを重視し、13種類に分けて読む土壌へ品種を細かく合わせています。2020年に有機栽培への転換を始め、2024年に有機認証を取得。3ヘクタール超のNatura 2000自然保護区と畑をつなぐため、約5,000本、4キロメートル超の生け垣を植え、被覆作物と合わせて土壌、生物多様性、景観を守っています。

ワインづくりのこだわり

畑では秋の土づくりと被覆作物の播種、冬の剪定と誘引、春から夏の芽かき、枝の持ち上げ、除葉、必要に応じたグリーンハーベストを進め、収穫はすべて手摘みです。醸造所には2015年に整備した21基のコンクリート槽と19基のステンレス槽があり、区画と品種の違いを保ちながら約3週間、果実をつぶしすぎない穏やかな抽出を行います。一部ロットは樽でマロラクティック発酵を行い、グラン・ヴァンとセカンドワインはいずれもフレンチオーク樽で12〜14か月熟成。古樹と高い区画を中心に選ぶグラン・ヴァンには張り、黒い果実、精密なタンニンを、若木や粘土・砂礫の区画を生かすレ・ペルランにはしなやかな果実と早い親しみやすさを求めます。2021年のグラン・ヴァンはカベルネ・ソーヴィニヨン69%、メルロー26%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド1%。9月27日のメルローから10月8日のカベルネ・ソーヴィニヨンまで収穫し、コンクリートとステンレスで仕込み、樽で最低12か月育てました。

フランスの醸造所内に並ぶ大型のステンレス製ワイン醸造タンク
温度管理できるステンレス醸造槽の資料写真。ラフォン・ロシェは19基のステンレス槽と21基のコンクリート槽を使い、区画差を保ちながら穏やかに抽出します(画像: Cjp24 / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

代表的なワイン

Château Lafon-Rochet 2021

シャトー名を冠するグラン・ヴァン。カベルネ・ソーヴィニヨン69%、メルロー26%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド1%のブレンドです。公式テクニカルシートは、控えめながら新鮮な香りに果実と軽いロースト香が釣り合い、口中でもフレッシュな果実とすでになじんだタンニンが続き、若さと熟成の可能性を感じさせると紹介しています。Amazon.co.jpのASIN付き商品ページでは2021年750mlを確認し、「残り1点」、カート、今すぐ買うの購入導線が表示されていました。

Château Lafon-Rochet

古樹と標高の高い区画を中心に選ぶファーストワインです。黒スグリやブラックベリー、スミレ、杉、鉛筆の芯、甘草を思わせる層に、サン・テステフらしい骨格と持続する清涼感を重ねます。若いうちはタンニンの精密さと力が前に出ますが、熟成すると果実、土、葉巻や香辛料のニュアンスがほどけます。大きめのグラスでゆっくり空気に触れさせ、仔羊、牛肉、鴨、きのこや根菜のローストと合わせると、果実と土の調子を追いやすくなります。

Château Lafon-Rochet 2017

2017年はカベルネ・ソーヴィニヨン68%、メルロー24%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド5%。9月15日からメルローを摘み始め、10月4日のカベルネ・ソーヴィニヨンまで区画ごとに収穫しました。公式は、繊細なロースト香と甘草、チェリー、ほのかな胡椒、肉付きのよいアタック、絹のようなタンニン、酸味を保った甘やかな余韻を記録しています。熟成を経たラフォン・ロシェのバランスを知る比較対象としても興味深いヴィンテージです。

Les Pèlerins de Lafon-Rochet 2022

若木と粘土・砂礫を主体とする区画から造るセカンドワインです。2022年はメルロー49%、カベルネ・ソーヴィニヨン44%、プティ・ヴェルド7%で、9月12日から27日に収穫。コンクリートと温度管理付きステンレス槽で仕込み、樽で最低12か月熟成しました。公式は、果実に焦点の合った張りのある香り、溶け込んだ樽、口中の厚みと新鮮な果実、率直なタンニン、歯切れのよい余韻を特徴に挙げます。グラン・ヴァンより若いうちから近づきやすく、サン・テステフの粘土が与えるチョーキーな質感を比較できます。

白いラベルを付けたシャトー・ラフォン・ロシェ1990年のボトル
シャトー・ラフォン・ロシェ1990年のボトル。黄金色になる前の白いラベルは、熟成を経た時代ごとの表情を比較する手がかりになります(画像: Jamain / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ワイナリーの歴史

ラフォン・ロシェの起源は1557年にさかのぼり、サン・テステフでも古い歴史を持つドメーヌの一つです。当初はドメーヌ・ド・ロシェと呼ばれ、所有者アントワネット・ド・ギユモットとボルドー高等法院評定官エティエンヌ・ド・ラフォンの結婚を機に、1680年頃から現在の名になりました。1855年のパリ万国博覧会に向けた格付けで第4級に選出。1897年には隣接するリリアン・ラドゥイの所有者フレデリック・オドンが取得し、両シャトーは75ヘクタールの一体的な運営を1924年まで続けました。1960年にコニャックのテスロン家のギイ・テスロンが取得し、荒廃したシャルトリューズを再建して畑と設備を刷新。息子ミシェルは1999年に引き継ぎ、2000年に建物を象徴的な黄金色へ塗り替えました。2007年からはバジル・テスロンが近代化を続け、2014〜2016年にコンクリートとステンレスの二つの醸造庫を整備。2021年末にロレンゼッティ家が取得し、クリューズ=ロレンゼッティの所有地としてリリアン・ラドゥイ、ペデスクロー、ディッサンと知見を共有しています。2024年の有機認証は、2019年に始めたアグロエコロジー計画の大きな節目になりました。

シャトー・ラフォン・ロシェを写真で見る

ボルドーの醸造所で収穫した黒ブドウを選果台に広げて確認する作業
ボルドーで手摘みブドウを選別する資料写真。ラフォン・ロシェでも区画ごとの成熟を見極めて収穫し、果実の状態を整えて醸造槽へ送ります(画像: davitydave / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
ボルドーの熟成庫に整然と並ぶフレンチオークのワイン樽
ボルドーの樽熟成庫の資料写真。ラフォン・ロシェはフレンチオーク樽だけを用い、グラン・ヴァンとレ・ペルランを12〜14か月育てます(画像: michael clarke stuff / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
シャトーの建物と格付け表記を描いたシャトー・ラフォン・ロシェ1990年のラベル
1990年のラベルにはシャトーの建物と1855年格付けを示す表記が描かれています。現在の黄金色ラベルにも同じ建物の意匠が残ります(画像: Jamain / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
シャトー・ラフォン・ロシェの建物と色分けしたブドウ畑区画を示す手描き風の地図
サン・テステフの道、水路、シャトーを囲むラフォン・ロシェの区画図。まとまった畑の中にも細かな地形と土壌の違いがあります(画像: Chassin Sarah / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
古いアルバムのページに収められた1860年代のシャトー・ラフォン・ロシェの写真
アルフレッド・ダンフルーが1860年代に撮影したラフォン・ロシェの歴史資料。1855年の第4級格付け直後の建物と景観を伝えます(画像: Alfred Danflou / Rijksmuseum / CC0 1.0) Wikimedia Commons / CC0 1.0
黄金色の地にシャトーとブドウ畑を描いたシャトー・ラフォン・ロシェ2014年のラベル
2014年ヴィンテージの黄金色ラベル。再建したシャルトリューズの正面とブドウ畑を線画で描き、2000年から続く色を前面に出しています(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
シャトーの建物とサン・テステフの文字を焼き印したシャトー・ラフォン・ロシェ2013年のコルク
シャトーの建物とサン・テステフの名を焼き印した2013年のコルク。ボトルの細部にも所有地の景観を残しています(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
サン・テステフのブドウ樹で葉の間に実る濃紺色のカベルネ・ソーヴィニヨンの房
同じサン・テステフで育つカベルネ・ソーヴィニヨンの資料写真。ラフォン・ロシェでは植栽の65%を占め、黒い果実、張り、熟成力の中心になります(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
木箱を背景に置かれた白い旧ラベルのシャトー・ラフォン・ロシェのボトル
白い旧ラベルを付けたラフォン・ロシェのボトル。ラベルの変遷を比べると、シャトーが黄金色をブランドの目印にした2000年前後の変化が分かります(画像: Abxbay / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・ラフォン・ロシェのおすすめワイン

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シャトー・ラフォン・ロシェの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

2021 シャトー ラフォン ロシェ 750ml サン・テステフ第4級 ボルドー 赤ワイン

シャトー・ラフォン・ロシェらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

2021 シャトー ラフォン ロシェ 750ml サン・テステフ第4級 ボルドー 赤ワインをAmazonで見る

まとめ

シャトー・ラフォン・ロシェは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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